My Favorite Scene in LESSON 5
TITLE「青年の主張@成均館」
この回はここで決まりでしょう!
このドラマで言いたいこと、表現したいことが詰まってる序盤のクライマックスだと思います。
悩めるすべての若者へ贈る言葉って感じですかね。
「君たちはどう生きるか」の朝鮮時代Ver.とでもいいますか。そこにユニは更に女性としての葛藤やジレンマもあるわけで。
拙訳&超直訳ですが、ソンジュンくんがめっちゃいいことを言ってますので紹介してもいいですか?
聞くんだ
君が嘲笑う老論の息子として生きることもさほど愉快で楽しいものではない
この世の中、誰も親を選んだり自分が望む姿に生まれたりしない
僕たちが選べるのはひとつだけ
今日を、自分がどう生きるか、それだけだ
没落した南人の家系の息子だって?
世間が勝手にそう縛り付けて悔しい思いもしただろう、不満も言いたいだろう
しかしそうやって自分自身を憐れんで生きるのか?
縛りつけたのは厄介な世間だが、そこから抜け出すのは、キム・ユンシク、君の役目だ
人は誰でも自分の的の前に立っているんだ
弓をすべて射るまで誰もその前から逃げ出すことはできない
何よりも、キム・ユンシク、曲がった矢では的を射ることはできないんだ
ご清聴ありがとうございました。(深々とお辞儀)
もうね、脚本家さんが魂を吹き込んで書いた台詞ってのがビンビン伝わってきますわ。
恵まれてるおぼっちゃまくんだなんだとやっかまれてることもわかったうえでのこの言葉、さすがにユニも反論できない。
ソンジュンが伊達にソンジュンをやってないことがよくわかるシーンです。
こんへんのユチョン様(もうここは様付けしたくなる)の演技はスタンディングオベーションものではなかろうか。
このシーンでかかっている音楽が「ソンジュンのテーマ」(そのまま)っていうんですけど、これもほんっとおおおおおおに名曲なのよお!!!
そこにもぜひ耳を傾けてほしい!
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さてさて話は冒頭に戻りまして。
インスからロビンフッドごっこなイジメを受けて気を失ったユニ。
それで保健室に運ばれて早速女とバレてしまうわけですが、思ったより早かったよね…w
男装女子ものは現代を舞台にしたものにもありますけど、このドラマがそれらと違うのはバレたら本気で命すら危ういってところですよね。文字通り「身の破滅」なわけで。
しかしバレた相手が厳しいけどまだ理解がある、それも亡き父の弟子というチョン博士ということでとりあえず命拾い。
何よりチョン博士はユニと同じ南人派でして、そこもアドバンテージがあって助かりました。
それにしても「花ざかりの君たちへ」でも「ここはグリーンウッド」でもそうですが、生徒の秘密を握ってたり理解者であったりって役どころに保健室の先生は便利なキャラですなw
このへんは原作にはない設定だけど私はこの改変も良かったと思います。
これからチョン博士はユニをはじめソンジュン、ジェシン、ヨンハのメンターみたいな存在として活躍してくれますからね!
実はその昔出会っているふたり…。先生も若いぜ!
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チョン博士からきつい叱責を受け、ショックで落ち込むユニたん。
講堂で声もあげずに泣いてるところをジェシンに見られちゃいます。
席を外してあげるジェシンなりの慰めかたがぶっきらぼうだけどグッときますね!
しかし、女とバレてしまったところに「もっと豪快に泣けよ、男なら」なんて言われてユニも複雑だろうに。
そして、ソンジュンもユニの姿が見えなくて心配なようで。
このソンジュンが館内を探し回るシーンがさ~、もう大好きなの~!
心配の仕方が、なんかもうちょっとすでに友情を超えてる感がするのは私だけ?
見つけた!と思ったら人違いで咳払いで誤魔化すところも萌える~w
このシーンで流れる劇伴もまたいいんですわ…!
ミディアムテンポの三拍子の優しいメロディで、ソンジュンの不器用ながらユニを思いやる感情をいい感じに表現していると思います。
結局あれからユニはずっと講堂で泣いてたようで、ソンジュンもようやく発見。そしてユニの方へ向かって歩き出すんだけど…
はい、ここ一時停止。
なんでこんなに素敵なん?💢(一周回ってもはや怒り)
どこのパリコレのランウェイかと思うくらい姿勢が良くて、スタイルも良くて、衣装も良くて、顔も良くて(要するに全部だよ)ほんとうに惚れ惚れ…。
マジでこの画像でごはん3杯いける。
この斜め横からの体の厚みがいいんだわ、そんで額から鼻筋にかけてのラインがね…(以下、10分くらいぶつぶつ言ってるので割愛)
まさか女とバレたことで落ち込んでるとは思いもしないソンジュン。
怖い目にあってショックを受けてるんだろうと思ってるから、さすがにこの時ばかりは「大丈夫か?」って尋ねる声のかけ方も優しくってさあ、それがまた…もぐもぐ(ごはんおかわり中)
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しかし、翌日にはまた鬼コーチに戻るソンジュンw
まともに弓を持ったことがないユニがそう簡単に上達するわけもなく、周囲には笑われ、何度やっても的に当たりもせず、なのに「다시!(もう一度!)」というソンジュンの声は容赦なく飛んできて。
そんな辛さに耐えながらユニは送り出してくれた家族のこと、成均館の制服を渡されたときのこと、初めて受けた授業のことなどが思い浮かばれて…このシーンもいいんですよね~。
この時代、六芸(りくげい)といって「礼節・音楽・弓術・馬術・文学・数学」は身分の高い男性の教養として身につけておくべきものだったようです。
でもユニは女だし、そうでなくても貧しい暮らしだから、勉強はまだしも弓とか音楽とかまで習う余裕なんてなかったよね。(ところでソンジュンやジェシンも音楽を嗜まれるんですかね…?あまりイメージが…w)
ソンジュンのような裕福な家の子が習い事をしているときに、ユニは男装までして生活費を稼ぐために働いてたわけで。
ある意味、自分ではどうしようもない、理不尽と思うような試練に成均館に入学して初めてぶちあたってるんですね。
そういう事情もあって、ついにキレたユニたん。
さ、殺人はダメですよ…?
ミニョンちゃん本人は実際はすごーく女性らしいスタイルや顔立ちなんだけど、時代劇の衣装で男装すると不思議なことにいい具合に中性的というか、美少年っぽいのがドラマにぴったりなんですよねー。
だからこういうセリフを言っても違和感がないというか、殺伐しすぎないというか。
ほんとうにユニ役がミニョンちゃんでよかった。
ソンジュンとジェシンが二人して同時にユニの手を掴むところ、これも非常に暗示的な構図。
この時はまだ二人とも意識してないけど、今後ユニを巡ってバチバチやらかす間柄になるわけで。もうこの時から始まってたというねw
怖い目にあったんだから無理をさせるなというジェシン。
そうやってずっと怖がっていたら克服できないというソンジュン。
まるで北風と太陽みたいな対照的なふたりのアプローチ、言っていることはどちらもわかるんだけどねーw
まあやっぱり視聴者目線ではジェシンのほうが受けがいいかな?さあ、あなたならどうする?
そんなソンジュン、このあと怪我しちゃって大射礼への出場が危ぶまれるなか、利き腕ではない左腕で今から特訓して出場すると宣言。
기적이 필요하다면 나 만들 생각이다.
奇跡が必要なら 僕は起こすつもりだ
ソンジュンの名セリフ出ました。
かー、かっこええ…!!!
一見不遜な感じにも受け取られそうだけど、これはソンジュン自身のためだけではなく、ユニに対しても奮起させようとしてるんだよね。ソンジュンなりのエールなんですよ!
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奇跡云々はユニも感じるものがあったようで、ソンジュンの様子が気になってこっそりのぞき見。
そこへヨンハが現れて…
このへんの演技もいいんですよね~、ソン・ジュンギ。
なぜ成均館にいるのかユニから尋ねられて、科挙に受からないと側室をおけないからだよ~なんてふざけてるけど、その前の「この息苦しい社会のひどい身分秩序に抗うためかな」みたいな言葉のほうが本音っぽいですよね。
ヨンハの中にある反骨精神を表してる良いシーンだし、ヨンハの身分の秘密の伏線でもあります。
ユニとヨンハの組み合わせは一番「仲間」って感じがしますね。一番女であることを暴こうと必死だけどw
ヨンハはユニ、ソンジュン、ジェシンのことをほんとによく見てて、困ったときにアドバイスをくれたり、背中を押してあげたり…。
やっぱり「オスカー」だぜ!
ところで冗談っぽい台詞になってますが「科挙に受からないと側室をおけない」というのは本当に当時の決まりだったそうで。ちょっとびっくりw
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ラストの雨のシーン、北風(ソンジュン)が去った後に入れ替わるように現れた太陽(ジェシン)。
こっそり自作の弓懸(ゆがけ)をプレゼントしたりしてどんだけ優しいのよ~惚れてまうやろ~って感じですよ。
ソンジュンはまだそこまでの余裕はないのよね、対人関係ではジェシンのほうが経験値もスキルもリードしてますわw
このショットも萌えますな…!このすっぽり感がいいわー。
しかしユニたんはソンジュンからもジェシンからも手取り足取り教えてもらって、なんなんですかね、前世でどんな徳を積んだんでしょうか。てか単純に羨ましいのでちょっと代わりなさい!キー!
こんなふうに、あれこれ気にかけてくれるふたりのことを
ソンジュンは初めて自分の才能を認めてくれた人
ジェシンは初めて自分の味方になってくれた人
と、ユニは思い至ります。
これに気づくときの回想シーンがどちらも土砂降りの雨の中っていうのも何か暗示的なものなんでしょうかね。
こんな自分にチャンスをくれ、夢を見させてくれ、大射礼に優勝したら成均館に置いてくれとチョン博士に頼むシーン、とてもいいです。
監督さんはユニとチョン博士のシーンはみんなよかったと褒めてましたな。
家族のために孤軍奮闘して生きてきたユニが初めて感じる友情や仲間の応援だったのかもしれません。