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【つまみ食いレビュー】成均館スキャンダル 15話【ネタバレあり】

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Favorite Scene in LESSON 15
TITLE「告白」

 


ついに来ました、15話。

ドラマ中盤の最後(ってちょっとややこしいけど)を飾るエピソードてんこ盛りの回です。

 

そんな回のお気に入り&印象深いシーンと言えばこれでしょう。

ソンジュン、涙の告白。

 

ここまで来たらもうつべこべ言わずに聞いてください!

 

…と言いたいとこですが。

ここがね、私ちょっと物言いをつけたいところがありまして。

 

字幕に。

字幕の訳に。

 

字幕の訳がね、大事なシーンだからこそ非常に気になるんですよ。

 

ここは脚本家さんがあえて意識したと思われる協調の表現やリズムがあって、それがすごくポイントだと思うんですが、悲しいかな字幕ではそのニュアンスが削られていて。

 

そのポイントというのが、この13話のレビューでも触れた反復表現なんですよ。

あのヒョウンへのプロポーズの台詞群ですね。

 

「~일이 없습니다(~なことはありません)」という言い回しを重ねることで、リズム感と強調の効果をもたらしてるんです。

 

こういう手法(?)、実は他の回の重要なシーンでも使われます。

この脚本家さん、こういう韻をふんだり、表現をリピートしたりっていうのが好きみたいというか、こだわりがあるように思いますね。

 

cinnamon2020.hatenablog.com

 

 「実は他の回の重要なシーンでも使われます」っていうのがまさにここでして!

 

このシーンでは「~않던 내가(~な僕が)」という表現を3回繰り返していて、そこから「(そんな僕が)君を好きになったんだ」という台詞に持っていってるんですね。

 

そういうふうに重ねることで、ユニ(ユンシク)を好きになったことが今までの自分からすると如何にありえないことか、というのを訴えているすごく重要な言い回しだと私は思っているんですが。

字幕だと普通の文章みたいな台詞になっていて、ぐああああああってなりました。

 

他にも、「てにをは」が微妙な表記になっているのでは?という箇所もあったりして、むむむ…。

 

そういうわけで僭越ながら拙訳で、この美しくも哀しい台詞を改めて書き起こします。

 

 

君が… 好きだ、キム・ユンシク

 

道がなければ進まなかった僕が…

原則がなければ動かなかった僕が…

礼と法度が世の中のすべてだった僕が…

男である君を好きなんだ

 

それが僕が君を友としても同室生としてもそばに置けない理由だ

 

キム・ユンシク、君のそばでさらにこうして何でもない振りをして…

自分自身を偽っては生きられないから…

 

心配するな、キム・ユンシク

君を傷つけたりはしない

僕の気持ちのせいで、君が世間から指をさされることはない

 

君の前に現れるのもこれが最後だ

これが今、僕が君のためにしてあげられる全てだから…

 

 

これはドラマ史上でも屈指じゃないですかね(涙)

台詞の内容としても、文章の美しさとしても。



まずとにかく、この台詞のインパクトね。ド直球ストレートだからこそ余計にぐっときます!

 

니가… 좋다, 김윤식君が… 好きだ、キム・ユンシク)

 

この言葉を言うまでの、ソンジュンのあの悶々とか悩みとかヒョウンへの血迷ったポロポーズとか思うと、この告白に一世一代どころじゃない重さと切なさと萌えを感じます。

니가から좋다までのタメも最高。そしてまた、この「좋다」の言い方がいいんだわ…私も言われたいよ(どさくさ)

 

 

道がなければ進まなかった僕が

原則がなければ動かなかった僕が

礼と法度が世の中のすべてだった僕が

 

このフレーズが私はめっちゃ気に入ってるんですが、脚本家さんによると早い段階から考えていたそうで、だからこそソンジュンのキャラクターを「原則や礼・法度(道理)に縛られた青年」という設定にしたらしいのです。

 

つまりキャラがあって台詞を作ったのではなく、まず台詞ありきでキャラが決まっていったんですよ!

 

そしてプランどおり、原則と礼と法度でガチガチだったソンジュンがその主義を破ってまでも抑えきれなかった恋心だというのがとても伝わる名シーンとなりました。

 

この脚本家さんのインタビューでの裏話を読んで私は感心感動感服のトリプルルコンボでしたね。

 

ちなみに、ここは吹き替えでも確認したんですが、吹き替え版は原語に近い「~な僕が」という言い回しになっていました、よくやった!

 

そんな狙いがあった市場の告白のシーン、脚本家さん自身も満足しているそうなんです。

それはなんといっても「ユチョンの演技が素晴らしかったから」ですって!

 

そうだろう!そうだろう!!(なぜ私が偉そうに)

 

いや、ほんとうにこの15話は全編においてユチョンの演技が素晴らしいんですよ!!

 

この告白のシーンはユチョンも印象に残ってるとのことで。

 

なんでもすごくギャラリーが多い撮影だったらしいんですが、カットがかかったら不思議と雑音が一切聞こえなくなって集中できたそうなんです。

いわゆる「入り込んで」演技できたってやつでしょうか。

 

派手な効果音があるわけでもなく、凝った演出があるわけでもなく、流れるのはその名もずばり「悲しみの涙」という劇伴のみで、これがまた美しいメロディで。

そんななか静かに淡々と思いを吐露し、でも時に言葉につまりながら、じっとユニを見つめ目に涙をためて、それが一筋スーッと流れる…。

 

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完璧です。

 

「何でもない振りはできない」「自分自身をこれ以上偽ることはできない」と絞り出すように語るところなんて、ソンジュンのピュアなところがほんとうに出ていて。

まったくもってこの告白の台詞群を一層際立たせる迫真の演技を見せてくれました。

 

というか迫真が過ぎて、実は初見では「ここまで悲壮感出さなくても…もうちょっとライトな演出でもよかったのでは?」と思ったりもしました。

 

でも、ここに至るまでいかに男色が当時はタブーであったかを強調し、トドメに「両班にとって男色は死刑宣告に等しいのだ」という台詞まで準備していたのがここで効いてくるんです。

 

だからこそソンジュンにとっては告白はラブラブハッピーはものではなく、むしろユニ(ユンシク)が世間から非難されないための別れを意味するアンハッピーな行為になるわけで、そのためのこの演出なんだなと理解できました。

 

「君の前に現れるのもこれが最後だ」というのは大袈裟でもなんでもなく、ほんとうにこれが一生の別離だと思っての言葉なんですよね…。

 

あれほど自分の側にずっと居てほしいと望んだ相手にこんなことを言わなくてはならない残酷さ…(ハンカチ絞ってます)

 

そういうセンシティブなシーンだからこそ字幕もうちょっと頑張ってほしかったぜ!と思っちゃうわけです。

 

最後の「僕が君のためにしてあげられる全てだから」のところも字幕では

「僕してやれるすべてだ」

になっていて「ん?」となりまして。

 

意味が通じないわけじゃないけどちょっと微妙かなーと。

もっとわかりやすく「僕が」か、もしくは「君に」のどちらかがよかったような。細かいですけどね。

 

 

とまあ、そういう細かいあれこれがあってもお釣りがくるぐらい素晴らしいシーンと演技でした。

とにかくユチョンにスタンディングオベーションです!!

 

************

 

そして、話はVerseの頭に戻る(HipHop風)

 

斎会(チェフェ)は先生はおろか王様すら口出しできないとあって先生たちも職員室に待機でノータッチ。

が、そこへ「男色は私です」というソンジュンの爆弾発言の情報が飛び込んできて校長は大慌て。

 

でもチョン先生は、ソンジュンがただ驚かせようとしてこんなことを言うわけないと察知してますよね。

面白い奴だと笑いつつ、チョン博士たち先生も見物へ。

 

そして、ここからソンジュンの敏腕弁護士のような弁論が始まるんですが…

これがようやくバグが修正してきてキレキレのソンジュン復活!って感じでめっちゃ高まりますw

 

あの夜、自分も享官庁に居たのに何故自分には男色の嫌疑がかからないのか?

そもそもキム・ユンシクとムン・ジェシンの不徳な行いを誰か目撃したのか?

と、まずは疑惑の根拠の薄弱さを指摘。

 

ソンジュンも享官庁に居たことを証明する目撃者としてあのへっぽこ3人組もようやくここで役に立ったw

ユニとジェシンが不適切な関係であるのを見たものが誰一人いないことを突かれると他の学生たちもだんだん自信がなさげに。

「だってあいつが言ってたし…」と人のせいにするのは今も昔も変わりませんw

 

証拠も何もないのに疑うのは、それが事実ではないからだ、とソンジュン。

くー、かっこいいー!

 

いつものソンジュン節が戻ってきたって感じでヨンハもニヤニヤw

 

続いて、そもそも男色そのものが非難されるべきことなのか?と問います。

ここで引用するのが、さすがソンジュンといいいますか、儒学の基本ともいえる「仁、義、禮、智、信」

 

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これらは「五常」または「五徳」と呼ばれるもので、儒教で最も大切とされる徳(教え)とされています。詳しくはWiki先生で!

五常 - Wikipedia


 

超要約すると

 

仁 人を思いやること

義 利欲にとらわれないこと

禮 上下関係を守ること

智 道理をよく知り得ること

信 友情に厚く、誠実であること

 

といった感じになるかと思いますが。

 

事実ではないことを確認もせずに、見たいものだけを見て、信じたいものだけを信じるような愚かな心。

無責任な好奇心で人を苦境に陥れ、面白がるような罪な行為。

これらはこの「五常」に反するもので、とても儒学を学ぶ学士とは言えない。

 

ソンジュンの理路整然とした弁論に儒生たちも気まずい顔。

 

「友を愛する」という儒教で最も大切な徳とされる「仁」の教えを説き、人が人を愛することを醜聞だと後ろ指を指す資格は誰にもないと論ずるソンジュン…これは自分にも言っているような気がしますね。

 

そして、「それらを非難するのが儒生と言うのなら、僕はむしろ男色となる道を選びます」と締めます。

かー、もう拍手したくなるぐらい奇麗にまとめましたよ!

 

しかし、もちろんここでドラマは終わらない。

インスが反撃するターンです。

 

もともとインスの本来の目的は赤壁書の正体の暴露とふたりの除名。

男色で追及するのが難しくなったと判断すると、しれっと赤壁書に焦点をずらします。

 

あの夜に成均館に逃げ込んだ赤壁書でないことを証明するために、ふたりともこの場で服を脱げと要求。

赤壁書は深手を負っているので、その跡があるはずと。

 

もちろんジェシンは傷が残っているし、ユニも女性であることがばれるので、双方とも脱いだら終わり。当然、こんな要求はのめないわけで。

 

そしたらね奥さん、またここからのソンジュンがかっけーんですわ(泣)

 

執拗に赤壁書に関連付けて詰問するインスを見て何か妙に感じ始めるソンジュン。

あの夜のユニの不審な行動や、その後の頑なに話そうとしない態度がフラッシュバックで蘇りピコーンと閃きます。

 

このへんの演技がまた良くって、視線を動かしたりしながらスーパーコンピューター並みに計算しまくって「謎は全部解けた!」と某少年の事件簿みたいになるのが、私のテンションがあがりますw

 

そして今度はソンジュンの反撃のターンです!っしゃあああ!

 

もしや紅壁書を捕らえるために、はじめから男色の醜聞は信じていなくて斎会を政治的に利用したのか?と詰め寄ります。

もしそうであるならインスは原則を破ったことで責任を問われる、と。

 

そこから、儒生たちに顔を向けて強めな声で「そうではありませんか!?」

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きゃー!!!かっこいいー!てか、これ何の法律ドラマ!?

 

こうなるとオセロのように状況は反転、一気にインスが形勢不利に。

あちこちから「そうだそうだ」「そのとおりだ」みたいな声があがり、インスが責められる立場に。(余談ですが、こういうときに掌返して「そうだそうだ」みたいになるキャラ、ほんとにお前ら…ってなりますねw)

 

普通の弁護士ならここでトドメを刺すところですが、敏腕弁護士イ・ソンジュンはやっぱり違います。

ここで引き下がれば掌議の責任追及はせずに水に流してやろう、と司法取引ですよw

 

これで勝負ありました。

 

ここでヨンハが満を持してとばかりに「斎会は掌議のものではなく成均館の儒生の役割、我々の義務を果たそう」と立ち上がります。

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決を採ると、儒生たちが次々に白札(無罪)を上げ始めます。

ビョンチュンも赤札(有罪)を上げてたけど、結局そっと白札に…まあ、こうなるよね。

 

そんなわけで無事に閉廷。

見事、ソンジュン弁護士のおかげでふたりは無罪放免。

 

いやー、前回までのいろいろなやらかしのせいでソンジュン株が暴落していましたが、ここで一気に復活しましたね! 

斎会のシーンはほとんどソンジュンの一人舞台みたいなもんです。

ユチョンもすごい長台詞で大変だったと思いますよ(台本見てみたいw)

 

逆にジェシンとユニがはっきりいって何もしてなくて見せ場なしなのが…w

 

 

ドラマがドラマなら

 

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こういうのを掲げて壮大なBGMがガンガン流れるところですが、ソンジュンは逆にそっと斎会の場を離れます。

そして、ユニとジェシンのことを誤解していた自分を恥じるのでした。はー、どこまでもイケメン。

 

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情けない… 一体何という誤解をしていたんだ…

 

この独り言みたいに呟く感じがまたぐっときます。

 

そしてお着替えをして成均館の門を出ると、はい、またヨンハの出番!

やっぱりこういうときにソンジュンに気づきを与えるのはヨンハの役割なのよね。

 

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「結婚はやめろ」とか「ユニに素直な気持ちを伝えろ」とか、そういう直接的なことを言うんじゃなくて、あくまで自分で気づくように導こうとしてあげるんですよね…ほんとにええ先輩やで(泣)

 

明日(!)結納があるというソンジュンに、あのインスと本気で家族になる気か?と尋ねます。

いや、ほんとにソンジュンはそこ気づいてるのかな?って思いますよ。今さっきまでユニやジェシンを罠にかけようとしていた人物ですよ?

 

それで君は幸せなのか、カラン?

 

不意を突かれた言葉にソンジュンも目を伏せてしまい。

そんなソンジュンの表情を見て、ここからのヨンハの台詞がいいんですよね。

 

おいおい、それ見ろ

今だってこんなに嘘がつけないのに

これからどうやって嘘をつき続けて生きて行くんだ?

それは誰のために?

 

ここの「それ見ろ」が「이봐 이봐 이봐」って畳みかけるように言うのが面白いですw

 

ヨンハがそんなこと言うもんだからソンジュン、パパにまで聞いてしまいました。

結婚して家族ができて、一族が繁栄して、権勢も得て…それが男の人生だと言うパパに「それで…幸せですか?」

 

このときのパパの反応がちょっと面白いw

両班として日々精進し、時に親ですら圧するような強気なことを堂々と言っていた自分の息子がそんなことを聞いてくるとは思いもしなかったのでしょうね。

それにしても、そんな目をぱちくりさせますかっていうw

 

そしてパパの答えはというと「答える価値もない」

 

ソンジュンがここで父親との距離を感じ、価値観が揺らいできた大事なシーンですね。

 

************

 

さてさて、ようやく平穏な学校生活が戻ってきた成均館ですが。

 

ユニはソンジュンが退学したことを知ってショックを受けます。

そりゃそうだよねー、いきなり姿を消して、挨拶もなく…。

 

ソンジュンのいない中二房でしくしく泣いてしまうユニ。

もういないとなると、学校のあちこちでソンジュンとの思い出が浮かんでしかたない。

 

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この木を見たら思い出すのは…はい!アレですよね!

 

あの大射礼の特訓の時の、私の「激萌え・オブ・ザ・イヤー」のショットですよ。

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cinnamon2020.hatenablog.com

 

もっともユニたんの回想は特訓中のこっちでしたが。

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私もここは忘れられないですよ…

ううう…(´;ω;`)

 

まだこの頃はお互いに同性の友人としての意識しかなく、でもなんとなく気になっていって…(以下、2000字分くらい反芻するので割愛)

 

明倫堂(講堂)でもへっぽこ3人組がソンジュンの話をしていて、いやでもその内容が耳に入るユニ。

なんでも結婚してそのまま都も離れる、官職にでもつかない限り二度と会うこともないだろう、と。

 

それを聞いてユニたん、居てもたってもいられず兵曹判書の屋敷へ。

そこでソンジュンが現れるのを待ちます。物陰から見ているのがいじらくてねー(涙)

 

やってきたソンジュンを見たときのユニのこの表情よ…!

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ソンジュンもユニに気づいて「幻かと思った」と。

ユニは最初は偶然を装いますが、思いきって本心を打ち明けます。

 

最後だと思ったから… もう会えないと思ったから…

どうしてももう一度会いたかったんだ

それで待っていたんだ

 

心を交わした友としてでも、ただ同室生としてでもいい

そうじゃくて、これまで出会った数多の儒生の一人としてでも…

どんなふうに思われても最後にもう一度イ・ソンジュンに会いたかったから

 

もう恋する女の子のいじらしい本音ですよね…!

 

そして、懸命に笑顔を作って「会えたから、もうそれでいい」と。

こんな健気なユニに対してソンジュンからの言葉は

 

今日は… ここに来ないほうが良かった

帰ってくれ

僕たちはもう二度と会わないようにしよう

 

いやもう、これ何年も付き合ったカップルが別れる時の台詞では?

「ここに来ない方が良かった」ってのはユニにとってというよりソンジュン自身にとってではないですかね?

 

まあ確かに別の女性と今から結婚しようというときにユニに会ったらソンジュンの心も揺れますて。

結果的に結納直前にユニと会ったことがソンジュンを正気に戻す良いきっかけになったようで、ここから流れが変わります!

 

ユニに背を向けて屋敷の中に入ろうとすると…はい、あの名曲「君には別れ 僕には待つということ」のイントロが!

 

きたーーーーーー!

もうこれがかかった時点でボルテージアップですわ。

 

ソンジュンが部屋に入ると、準備が整った正装のヒョウンが笑顔で待っているんですが、このときふっと視線を逸らすんですよね…。もうこのあたりからして迷いが出ているのがわかります。

 

そして、ヒョウンは抱き着き(またされるがまま…)、あなたのために良い妻になる、と。

そして、ソンジュンを見つめながら「私に心を寄せるよう努力するという、あの約束だけを信じていますから」


はい、無理。

無理ですよね、ソンジュン、もうここで悟りました。

 

ヒョウンの手をそっと離して「どうしてもその約束は…守れそうにありません」

 

そして屋敷の外へ飛び出しし、ユニの姿を探します。

探せるのか?追いつくのか?もちろんです、愛の力で行方を追います!!

 

ところで、このヒョウンの部屋でのくだり、ソンジュン(ユチョン)がえらくかっこよくてですね!

元がかっこいいというのは当然として、スタイリストさんが良かったのかよくわかりませんが、たいへん私好みのビジュアルに仕上がっていて興奮したことを報告しておきます。

 

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伏せ良し!

 

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右目線良し!

 

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左目線良し!

 

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顔良し!

 

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正面良し!

 

わー全部良し!!!(大満足)

 

そして、あの告白のシーンとなります。

 

ソンジュンが屋敷に入るのを涙を浮かべながら見送って立ち去ったユニ。

そのまま市場を歩いていると…肩をつかまれ、そこにはソンジュンが。

 

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ちゃじゃったー!!!(泣)

 

ちょうどここでいい具合に「君には別れ 僕には待つということ」も静かに終わります…。

 

ふー、ここまで一気に盛り上がりましたね!(ちょっと休憩)

 

************

 

ともかくギリギリのところで道を踏み外さずにすんだソンジュン。

こうなると、ここから行動の修正が早い早い。

 

家に戻ってパパに破談の申し出、そして地方の山奥の書院に行く準備と。

 

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荷物の中に、あの1話で出てきた裾にユニの詩が書かれた服があるのがまた泣かせる。洗わずに取っておいたんだね…(そこ?)

 

ちなみに書院とは今でいう民間の塾みたいなものですね。

基本的に科挙の受験勉強のための塾なので、科挙がない日本ではあまり根付かず「寺子屋」がそれにあたると言われています。

 

勝手にどんどん進めるソンジュンに、パパのほうは「お前が早く結婚したいと言ったのに」と怒るやら呆れるやら。ま、そのとおりだw

 

そこでスンドルを呼んであれこれ仔細を聞き出そうとするパパ。

普通の小説よりよほどドラマチックな縁のふたりだと、ユニとソンジュンのことをあれこれ調子に乗ってスンドルがペラペラしゃべりますw

 

どうも息子の変化にユニの存在があるらしいことを知って複雑な表情のパパ。 

そして、ユニの父親の名を思い浮かべて「なんという悪縁だろう」とポツリ。

 

このへんの意味深な伏線は後半の大きなモチーフになりますよ!

 

一方のヒョウン、ソンジュンは彼女に恥をかかせないようにそっちから破談にしてくれと頼んでるんですが、当然ながら納得いかない。

 

あの「約束を守れそうにない」という言葉の続きがヒョウンの回想で示されるのですが

「僕は他の人々のように平凡な夫として女人に心を寄せられる人間ではないのです」

と思ったよりはっきりと自分は男色であるみたいなことを言ってまして。

しかし衝撃的すぎてヒョウンは自分が嫌いなあまり嘘をついてるのではと疑うほど。

 

ユニのほうはというと尊敬閣(図書館)でひとり、相思相愛だったとわかってウキウキハッピー…なわけもなく。

ソンジュン同様に苦悩しています、世間を欺いた罰が当たったんだ、と。

 

そこへやってきたるはコロ先輩。

もうねー、ここのコロ先輩がいい人過ぎて泣ける。

そんなにいい人じゃなくていいよ!って言いたいぐらい、いい人。

 

ユニたんの悩み相談に乗ってあげるんですが

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このポーズで「ほれ、言ってみろ」みたいな顔しちゃって!これは反則でしょ!

 

ここはユ・アインも気に入ってるシーンと言ってましたね。 

 

ユニの言ってることは、ぼかしているけど明らかにソンジュンのことを言っていて…それをすべて察したうえでアドバイスしてあげる先輩。

 

「その人のことが好きなのか?」と尋ねる先輩の切なさよ…。

  

************

 

そして舞台は野遊会に移ります。

 

斎会のあとには必ず行われる行事で、みんなで出かけることでわだかまりをなくそうという趣旨だそうです。

いろいろ言うてますが、まあ泊りがけの遠足みたいなもんで。

 

今回の場所は大司成(校長)が月出山(ウォルチュルサン)に決めたのですが、これには裏があって。

実はこの月出山の近くにソンジュンが来ている書院があるんです。

 

ソンジュンに復学してほしい校長は

 

みんなが楽しそうにしているところをソンジュンに見せる


ソンジュンが羨ましがる


成均館に戻ってくる

 

という作戦を考案したらしく…いや、小学生じゃあるまいし、大丈夫かw

 

このソンジュンの書院がある鳩林(クリム)や月出山(ウォルチュルサン)、実在する場所なんですが、私は東京で言うと高尾山みたいなところか?と思って地図で調べたら結構遠い場所で!

 

このへんのドラマに出てきた土地や場所は別途「(仮)ことりっぷ成均館」でも書きたいな~と思ってます。

 

当のソンジュンはその頃、書院で科挙の勉強に専念…のはずですが。

これがもう「笑ってはいけないソンジュン24時」って感じになってるので、どうぞご査収ください。

 

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本が読めないソンジュン

 

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夜に眠れないソンジュン

 

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ゲームに身が入らないソンジュン

 

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ごはんが食べられないソンジュン

 

ユニと別れ、成均館からも離れ、それでここまで呆けるかソンジュン!という有様で。

 

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あー可愛いwww

この、心ここにあらずな様子が可愛くて可愛くて私は大大大好きです!

 

************

 

そして成均館では「GoTo 月出山」になっとりまして。

 

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そんなに楽しみか?ってぐらいみんな浮かれてますw

 

こんな行事に今まで一度も参加したことがないジェシンも今回は一緒に行くみたいで。

すかさずヨンハがつっこみます。

 

テムル、お前の笑顔を一度でも見ようと

天下のムン・ジェシンが初めて野遊会に参加…

 

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ここでジェシンから口を塞がれて「むぐぐぐぐっ」てなるところが最高w

このへんのソン・ジュンギの演技が上手いのなんの!

 

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しかし、ここ3人の服装がそれぞれバラバラで面白いです。

ヨンハの派手さが際立つw

 

月出山では渓谷のようなところでそれぞれ水遊びしたり、キャンプみたいなことしたりと楽しんでますが、ユニはもちろん服を脱げないから水に入れないってこともあるけど、元気も出ないので静かに読書。

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そこへジェシンがまた甲斐甲斐しく世話を焼くのよ…!

ジャガイモ焼く、皮むいてあげる、フーフー冷ましてあげる…完全に彼女にしてあげるやつですわ。

 

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どこにジャガイモが?と思われるかもしれませんが、コロ先輩が手にしているのがジャガイモです!誰がなんと言おうとジャガイモなんです!

 

ジェシンの様子を見ていたユニも「先輩はいい夫になりますね」って。

こんなこと言われて照れるコロ先輩…くうう…健気すぎる。

 

さらにユニの頬に煤(焦げ?)が付いているのを取ってあげようとまで!

ここまでされたらユニもいいかげん気づかないか?w

 

さて、ヨンハのほうは例の校長の計画を実行すべく動いてましたw

 

スンドルに手引きさせて首尾よくソンジュンを川べりに呼び出すことに成功。

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ちょうど遠くにユニの姿があって動揺するソンジュンですが、自分を成均館に連れ戻す作戦なことがバレて帰ろうとします。

 

が、やはりさっき見たユニが気になってしょうがないソンジュン。

なにやらビョンチュンとコボンの二人組が背後でコソコソしていたし…。

 

またタイミングよく、ユニが誤って落とした片方の靴が川を流れているのを見て、もしや何かあったか?と慌てるんですが。

 

さあ、ここからがまた素晴らしいシーンですよ!

マジで15話、盛りだくさんすぎて大変。

 

川の周辺を探し回るソンジュンの前にユニの無事な姿が。

 

すると、たまらずといった感じでユニのもとへ全力で走ってぎゅーっと抱きしめてしまいます!

 

もう、この抱きしめ方が!抱きしめ方が!抱き(落ち着いて)

 

ユニも突然現れたかと思ったら駆けつけて抱きしめてくるソンジュンにびっくり。

もうね、観てくださいよ、このシーンの美しさ!

 

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渓谷の緑と二人の衣装の色味までがばっちり溶け込んで、アングルも言うことなしの絶妙さ。

さすがのソンスの美術チーム。

 

しかし萌える一方で、このアングルのとき

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「わー、笠がぶつからないようにユチョンめちゃ首まげて大変そう」と冷静に思ったことは内緒です。

 

それでもって、またここからの台詞が最高なんだわ。

 

だめなんだ、キム・ユンシク

いくら努力しても僕はこうして君を探し、さまようしかないんだ

だから今度は君の番だ

僕から逃げてくれ、キム・ユンシク

 

はい、ここも私の好きな台詞コレクション入り確実です。

 

最初の「안되겠다(だめなんだ)」で既にやられますね。

そして「헤맬 수밖에 없어(さまようしかない)」とか「나한테서 도망가라(僕から逃げてくれ)」とかも感嘆の溜息が出ます。

 

なんだ、この素敵な表現は。

誰が考えつくんだ。(脚本家さまです)

 

特に”나한테서 도망가라”は妙に気に入って、ノートに書いてひとりで暗唱なんてしてしまいました。大丈夫か、私。(ほかにもそういう台詞がいろいろ…)

 

ずっと黙っていたユニも意を決したように、立ち去ろうとするソンジュンに待てと呼びかけます。そして「僕の答えを聞いてから行けよ!」

 

そう言って走り出したら、片方しか靴履いてなかったので滑っちゃって…

 

川に落ちてしまいました!!!

 

もうこのへんで察しのいい視聴者はわかりますよね。

 

ユニ川で溺れる→ソンジュン助ける→ユニの濡れた服を脱がそうとする

 

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というわけで、そのとおりの展開になってユニの正体がついにソンジュンにバレて…!?

というところで続くー!

 

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実はまた一万字超えちゃってですね(開き直り)

 

読むのも大変だったかと思います、ほんとうにお疲れさまでした。

 

ソンジュンがようやくソンジュンらしさを取り戻しつつあるのが観ていてストレスがないのでw、楽しいったらありゃしない。

そりゃ筆(キーボード?)も乗るってもんです。

 

いよいよ次回から終盤戦に突入、王様に先生たちに親父軍団も絡んできて物語が佳境に入ります!