【つまみ食いレビュー】成均館スキャンダル 19話【ネタバレあり】
Favorite Scene in LESSON 19
TITLE「ユニの女心」
出会ったときから19話はここと決めていました(告白風)
牢屋の格子越しでのラブシーン。
私、ここのユニの台詞が大好きで大好きで、もう好きすぎてノートに書き写して部屋で延々と朗読するという、傍から見るとちょっと心配されるような行動までしてしまうぐらい好きなところです!
お互いに思いあっているとわかってからというもの、なにかにつけて好き好きアピールに余念がないソンジュンに比べてw、ユニは意外とあっさりというか、照れや戸惑いもあるんでしょうが、積極的に愛情表現をするシーンはそこまで多くないんですね。
それが、このシーンではひとりの女の子として、とても素直にソンジュンに思いを伝えるのがすごく感動的なのです。
のちほど、うざいほどの愛をこめて語りますw
さて、最終回まで残り1話となった19話、まさに「佳境」という名がぴったりの内容なんですが、最初に言ってしまうと
ソンジュン ⇒ 牢屋に監禁
ジェシン ⇒ 自宅に軟禁
と、このふたりの身動きがとれないためw、必然的にユニとヨンハの組み合わせで展開していくシーンが多いのが特徴的。
でもって、これはこれですごく新鮮で面白いんです!
ソンジュンもジェシンもユニが絡むとどうしてもラブ要素が出ちゃいますが、ヨンハとユニのコンビは先輩後輩の関係そのままの微笑ましい雰囲気で、このふたりのケミも見どころです。
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ひとりで宗廟に忍び込んで金縢之詞を探していたユニ。
でも「ここで間違いない!」と確信をもっていた場所にはありませんでした。
そりゃそんなに簡単には見つかりませんよ、ユニたーん!
そこへソンジュンがやってきて、ユニの無事を確認。
ふと目をやるとユニの胸元にはあの指輪がかかっていて…!
それに気づいたソンジュンの何とも言えない感極まった顔よ…。
ユニの心は自分から離れていたわけでない、むしろ一層思いが深まっていたことがわかり、愛しさが込み上げるソンジュン。
前回から「心より体が動いちゃう(ヨンハ談)」状態だったので、やっぱり思わず抱きしめちゃいました。
しっかり手を握り合ってふたりで宗廟から脱出!
官軍の目をすりぬけて成均館に無事戻ったものの、ジェシンが大怪我をして帰ってきまして。
官軍を足止めしていた際に斬りつけられたんですが、先輩これで何度目ですか…。
ひい(6話)、ふう(14話)、みい(今回)…今回ヨンハは自分ちの私兵まで動かしてジェシンを助けてあげてるんですが、ジェシン大好きとはいえお世話も大変だw
ひとまずヨンハの部屋でジェシンの手当てをして休ませますが、そこへ官軍が!
書吏たちは勝手に入ってはならないと阻止しようとしますが…。
何度か台詞にも出てきてますが、成均館というのは治外法権というか、官軍といえど勝手に敷地内に入ることは禁止されています。
だから紅壁書に扮したジェシンが学校に逃げ込んでも今まで無事だったわけですが、今回はインスが「掌議の権利行使だ」と禁を破ったため、官軍もズカズカと学校に踏み込んできました。
宿舎で寝ていた儒生たちも騒がしい気配を感じて、何事かとなり。
ここで珍しく他の部屋の様子が出てくるのが面白いです!
へっぽこ三人組や、副会長の部屋、みんな仲良く布団並べて寝てるのね、やっぱり。
中二房のように寝場所でしょっちゅう揉めてる感じはなさそうですw
そして、紅壁書が逃げ込んだとして学校内の施設を荒っぽく捜索するんですが、私の愛する尊経閣もめちゃくちゃに…こらー何すんねん!!
貴重な書籍をバンバン床に落とされて、それを拾って恨めし気に見ているのは…
なんとゴボン!
こう見えて(?)、実は愛校精神が強くて本好きなキャラであることが発覚w
このあと、官軍が書籍を手荒に扱ったことについてインスに不満を言ったりもします。
インスの手下のひとりであるカン・ムも寡黙すぎて何を考えているのかわかりにくいキャラでしたが、彼も官軍が成均館で暴挙をふるったことにご不満で。
自分たち学生にも負傷者が出たというので、今後はこういうことがないようにとインスに進言します。
このあたり、ラストの彼らの行動の根拠となる大変重要なところなんですが、いかんせんエピソードが足りなさ過ぎて唐突感が否めない。
監督さんも、このへんは時間がないために説明が十分に描ききれず申し訳なかったと言ってました。
ついに官軍が紅壁書を捕まえようと宿舎へ。
ドヒョンたち儒生も集まってきました。
瀕死のジェシンをやすやすと差し出すわけにもいかず、ヨンハがなんとか対応しおうとすると、自分が身代わりになるとソンジュンが提案!
自分とユニのために大怪我を負ってしまったジェシンのために、今度は自分がユニをはじめ皆を守ると決意するソンジュン、そのソンジュンを見つめるヨンハ。
このシーンもいいんですよね。
少年ジャンプっぽいというか、「友情・努力・勝利」って感じですw
そんなわけでソンジュンが官軍に連行されていくことに。
前回の喧嘩で顔にちょっと傷を負っているのも、身代わりとしてちょうどうまい具合にハマったというか。
ここの連行されるところでソンジュンがユニを見て安心しろとばかりに頷くところがまたもう…。
なんか、こういうシーン現代劇にもありますよねw
ふたりの「目と目で通じ合う」感じに胸がキュンキュンします。
ところで、私がこのくだりで感心した点がひとつ。
大司成(校長先生)はどうしたの?っていうこと。
あの校長がいたら、こんなふうに官軍のいいようにはされなかったはずだし、ましてや大事なソンジュンくんが連行されるなんて必死で止めたでしょうw
そうです、ちゃんと最初のシーンで「大司成がご不在でも点呼はします」という書吏たちの台詞で大司成が留守であることを示してるんですね。
こういうところは抜かりないんだな!とちょっと唸りましたw
その校長先生はあとから心憎い活躍をしてくれますのでお楽しみに。
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紅壁書はジェシンという確信があるインスは当然ソンジュンではないと父親に訴えますが「ならば紅壁書に仕立てればいい」と兵曹判書、なるほどそういう魂胆だったかー。
破談になってからというもの左議政に逆恨み的な感情を持っているので、紅壁書も捕まえて、ソンジュンパパの立場も悪くなれば一石二鳥ですからね。
さて、この件はそのソンジュンパパにもすぐ報告されたようで、さすがのパパもびっくり仰天で口あんぐりw
早速、牢屋に入れられた息子に面会に来たパパ。
こんなときでも、父親の前では身なりを整えようとするのがソンジュンらしいですw
このとき、ソンジュンの指に光る指輪にズームアップ…もちろん、これは重要な伏線ですよ!
パパも「おや?」って感じで気づきますが、ここではそれ以上は特に気に留めるふうでもなく。
自分への反抗のつもりでこんなことをしているのか?とパパ。
でもソンジュンは「父上が示してきた教えのとおりにしただけだ」と信念をもって行動したことだと堂々と答えます。
私益よりも義を求め
友とは信義で結ばれ
正しい道を貫くために命をかけるのが男だと
私は間違ってますか?
常に原則を守り正直であることが正しい道だと思ってきたソンジュン。
だけど今は愛する人や友を守るために嘘だってつく、それだって立派な「正しい道」であると言わんばかりのソンジュンに、お前…成長したな…!と肩を叩いてあげたい気分です(何様ですか)
そんなソンジュンを見て、パパも何も言えず立ち去るのでした…。
そして、成均館。
ソンジュンが司憲府へ移送されたという知らせが届き、儒生たちの間にあっというまに広まって…。
司憲府はジェシンのパパが長官を務める役所、となるとやっぱりこの人の出番。
先輩、一夜でもう回復。どんだけダイ・ハードなの。
自分が本物だと自首してくると言うジェシンを制止するユニ。
ソンジュンがどんな思いで身代わりになったか、それを無駄にするのは許さない、と。
そんなユニにジェシンはふっと微笑んで…あー、こりゃあいつ10年前の事件の真相をまだユニには話してないな、と察知したんでしょうね。
ソンジュンの父親がユニの父親の殺害には関わっていなかったことを伝えてあげて「だからお前はもう気にしなくていいんだ」と言って司憲府に向かおうとします。
これってつまり、お前たちは堂々と付き合っていいんだよ、と言ってあげてるわけですよね…(´;ω;`)
そして、官軍が学校内に乱入した責任追及についてインスを斎会にかける準備をしとけよ、とヨンハに声をかけ…締めの台詞が「お前はク・ヨンハだからな」
ぎゃああああ、先輩どこまでかっこいいいのおおおお!
実はどうもインスが自分の弱みを握っているっぽいことをこのあいだからチラつかせていて、いやな予感がしているヨンハ。
このジェシンの言葉がその不安を和らげてくれたことが、パッと明るくなった顔からも伺えます。
…なのに、先輩は戻ってきませんでした。
あっさりパパに軟禁されちまいまして…おいおい、ちょっと!!!
成均館に残されたユニとヨンハ、ふたりでこの局面をどう乗り切れというのか!?
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斎会(チェフェ)といえば14~15話の男色疑惑の際でも出てきましたね。
成均館の生徒会みたいなもので、あのときはユニとジェシンが会にかけられましたが、今回はインスの横暴について問うことになります。
ヨンハは他の生徒会役員(斎任)たちと一緒にインスに会に出席するよう要求しますが、インスは逆にヨンハに斎任としての信任を問うと言い始めます。
ここでついにヨンハの秘密が明らかに!
実はヨンハは両班ではなく中人(チュンイン)であるとインスが暴露。
中人とは、その言葉とおり両班と庶民の中間層を指す身分のこと。
いわゆる「平民」に近いもので、主に商人や医療などの専門家が多いとされている階級ですが、やはり両班とは明らかに身分の差はあり、官職に就いたり出世したりというのは難しかったらしく。
建前としては成均館は身分関係なく入学できますが両班の子息がほとんどだし、まして斎任は両班でないとならないという暗黙の了解があったようです。
そのため、中人のヨンハが両班だと偽ってその地位にいたとして学生の間にも動揺が走ります。
ジェシンが父親の大司憲の説得に失敗して軟禁されているとなると、ソンジュンを助けるために残された方法は儒疏(ユソ)と捲堂(クォンダン)。
儒疏とは王様への意見書を出す直訴で、捲堂とはいわゆる示威行動のこと。
つまり、「ソンジュンの無罪放免」と「成均館に官軍が侵入したことへの謝罪」を要求する意見書作成と抗議デモをやろうというわけで。
それは本来、議掌を筆頭に行うものなのですが、その肝心の議掌がインスというので困ったことに。
ヨンハ自身も身分のことで窮地に立たされてしまい、「自分は力になれないかもしれない」と言ってユニに謝るのですが…
しかーし!ここで終わるヨンハじゃありません!
ここからがヨンハの正念場であり一世一代の見せ場であります。
翌日、明倫堂(講堂)に集まった儒生たち。
インスは改めて儒疏も捲堂も行うつもりはないと言い、さらにヨンハの身分詐称を告発する文書を配り始めます。
もうすっかり勝った気満々のインスですが、ヨンハはゆっくりと前に進み出て儒生たちに告白します、「私は両班ではない」と。
こんなにあっさり認めるとは思ってなかったようで、インスの顔から笑みがサッと消えるのが痛快ですね。
ヨンハは自分の家が両班の身分を「買った」商人であると事情を赤裸々に語り、自分の職責をキム・ユンシクに一任すると宣言。
そして、中人であることが恥ずかしいのではなく、こんな生き方をしてきた自分が恥ずかしいと。
野次も飛ぶなか、インスに向き直り
もう私には君の脅迫など通用しない
ここは成均館で、 私はク・ヨンハだから
いつも派手な衣装で身を包んで心のうちを見せなかったヨンハが、低めの声で目を潤ませながら堂々と出自について真実を話す姿は天晴れのひとこと!
お前…成長したな…!と肩を叩いてあげたい気分です(だからお前は何様ですか)
ソン・ジュンギがヨンハでほんとうによかった!と思える、素晴らしい演技でした。
さらにこの後のシーンもすごくよくて、私大好きなんです。
斎会が終わって宿舎に戻ると嫌がらせなのか、ヨンハの部屋が荒らされていて。
ユニとふたりで片付けながら話をするんですが、ユニとヨンハのコンビの良さというか、他のふたりとはまた違ったケミがあって、台詞も味わい深いものが多いんです。
ずっと身分を隠してきて心が痛んだだろうとユニが慰めると、ヨンハは「世間を欺いてきた罰だ」と淡々と受け止めます。
ここはユニが自分にも「心が痛む」ふしが思い当たるからこそ言わせた台詞のような気がします。
ユニは「性別」、ヨンハは「身分」、それぞれずっと秘密を抱え生きてきたもの同士。
だからユニはヨンハの心情を思いやれるし、もしかしたらヨンハがやたらとユニが女の子かと気になって秘密を暴きたがったのも秘密を抱えているものとして同じ匂いを感じたのかもw
そして、ヨンハは改めて金縢之詞を探したいと言います。
本当に身分などが重要でない世の中が来るのか見てみたい、と。
前回は父親との絆を描くことでユニの金縢之詞探しの理由が補強されましたが、今回はここでヨンハの理由がしっかり固まりました。
ユニに儒疏と捲堂をやり遂げるよう、何より「その資格があるのはお前しかいない」と励ます表情に、本来のヨンハが持っているであろう誠実さが表れていて素敵なシーンです。
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その頃ソンジュンは王様と面談(?)しておりまして。
王様もソンジュンが紅壁書ではないことは重々承知なのですが、どうやって助けてよいのか思案にくれます。
そして、父親との関係をこじらせてしまったことも詫びるのですが…。
ソンジュンはこんな事態になっても自分にとってパパは心から背くことはできない人だと語ります。
自分をこの世に生み出してくれた父と、志を授けてくれた父(王様)と、どちらも恩があると。
ソンジュンの父親への思いが表れている良いシーンですね。
そしてジェシンと父親の関係も印象的に描かれます。
ようやく老論派に復讐できるチャンスが来たとするパパに対してジェシンが涙ながらに訴えます。
ソンジュンを助けてほしい、自分たちの復讐にソンジュンを利用しないでほしい、ソンジュンを自分のように父親を恨んで生きるような地獄に落としたくない、と。
あれほど父親に反発していたジェシンが「제가 잘못했습니다(私が間違っていました)」と何度も謝る姿には心打たれます。
自分だけがお兄さんを大切に思っていると自惚れていた、とジェシン。
そして「自分もソンジュンもまだ何も始まってないのです」という台詞にもグッときます。
かつては老論だと毛嫌いし、ユニをめぐっては恋のライバルとして複雑な思いもあったソンジュンをこれから未来が待っている同じ仲間として意識するようになったのか…!と感動。
お前…成長したな…!と肩を叩いてあげたい気分です(だからお前は)
ユニ、ソンジュン、ジェシン、ヨンハ、それぞれの成長と変化を描きながら、各人が互いを思いやり、意義をもって金縢之詞を探す、というコンセプトが固められていくこの終盤の流れは見事だと思いました。
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さて、儒疏と捲堂のために署名活動をするユニたんですが、成果は芳しくなく。
インスの脅迫もあるわ、ヨンハのこともあるわで、みんな非協力的。
意外にもへっぽこ3人組のほうがまだ話を聞いてくれそうなところがなんとも…w
尊経閣でユニがヨンハに愚痴をこぼしていると…そこに現れたのはなんと!
まさかの大司成www
いつも学生のことより自分の出世や保身のことばかり考えてる大司成がアドバイザーとして登場するとは!
ソンジュンを救い出すために必要なのは
ソンジュンが紅壁書ではないという証拠
王様がソンジュンを釈放せざるを得ない名分
…と助言する大司成。
この人がここで協力してくれるとは!やだなー、もう、こういうの私弱いのよw
めっちゃいいキャラじゃん!校長せんせー、ありがとー!
というわけでヨンハ、ユニ、そして久々のスンドルの3人でまずはジェシンの救出作成開始!
目立たないように趣味じゃない真っ黒な服を着せられて文句の多いヨンハをユニが一生懸命おだてつつ、ジェシンが軟禁されている蔵へ。
蔵の前にはいちおう番人がいるけど、スンドルが囮になってめっちゃあっさり侵入できてしまいましたw
なんて役に立たない警備員たちwww
さひょーん、助けに来ましたよ♡
このときのジェシンの嬉しそうな顔よ…あー切ないw
そしてヨンハはこのとおりでw
ここ、字幕では「またか」となってますけど、正確には「また始まったか…」と言ってて笑えます。
それでも今回ばかりはジェシンも無下にせず抱きつかれたままなのが、ジェシンなりの感謝の表れでしょうかねw
ジェシンがユニたちに連れ出されたことが大司憲にも報告されますが「放っておけ」とひとこと。
きっと思うところはあるんだろうけど、ジェシンの思いが伝わったんでしょうか。
あとは校長の言う「名分と証拠」を作るだけ。
ジェシンに「本物の紅壁書」の書状を書いてもらい、それを都中にばらまけば投獄されているソンジュンの潔白が証明される。
これなら王様もソンジュンを釈放する名分ができる、という段取り。
作戦は成功して、あとは翌日の捲堂を残すのみ!
事の次第をソンジュンにも報告しに行こうということになって、ここでヨンハが気を利かせてジェシンとユニを二人きりにしてあげます。
ここで「うまくやれよ」とばかりに目配せしてウィンクするヨンハ…w
しかし、ユニたんときたら話すのはソンジュンのことばかり。
こんな夜更けに行っても会えるかな?
いきなり訪ねていったらびっくりするかな?
来るのが遅いって寂しがってたりしないかな?
これを隣で聞かされているジェシンの胸中を思うと…(´;ω;`)
すると突然「안되겠다(ダメだ)」と立ち止まり、お前ひとりで会いに行ったほうがいい、と言うジェシン。
嬉しそうな顔で会うのは恥ずかしい、なんて言ってますが…
ソンジュンへの思いで溢れているユニの様子を見て、ふたりの仲に自分が入り込む余地はないとはっきりわかってしまった…この「안되겠다」にそんな思いが表れている気がしてなりません。
急な態度に戸惑いながらもユニがジェシンに頭を下げて歩きだすと、ジェシンが「キム・ユンシク!」と呼び止めて。
俺、こんなこと言ったか?
ありがとう
お前には… 感謝してる
うえっ、うえっうえっ(嗚咽)
失礼しました、お聞き苦しい音声が入ったことをお詫びいたします。
いや、もう、ここほんとうにこういう泣き方しちゃうところですって…!
だって、これ
ジェシンの最初で最後の愛の告白じゃないですか!!!
そして、同時に失恋の宣言でもあるわけですよ!!!
この穏やかで優しい「고맙다」こそジェシンの「니가 좋다」なんですよ…!
そして、自分の気持ちに区切りをつけた宣言でもあると。
それに対してユニはまたこのうえなく可愛い顔で「先輩ってば、何言ってるんですか?」なんて笑って…。
ヨンハの言葉を借りるなら「この物語では愛される側ではなかった」というやつですかね…。
人の世の恋路の常とはいえ…はあ、切ない。
そしてソンジュンの元へ行くユニの後ろ姿を見送る表情たるや…
うえっ、うえっ…(だから泣き方…)
いやー、ここは全国、いや全世界のコロ先輩ファンの涙で地球のどこかに湖がひとつくらい出来たんじゃないんですかね?
ユ・アインの演技もほんとうに素晴らしくて、ソン・ジュンギと同じく、ジェシンが彼でよかったとつくづく思ったシーンでした。
この後、ユニが出てくるのを外で待っているジェシンのところへ、お着替えが済んだwヨンハがやってきて。
ユニをひとりでソンジュンのもとに行かせたことにわかり、すべてを察します。
いつもヨンハはこうしてお見通しなのよ…。
忘れるんだな
しきりにやると”癖になる”からね
ジェシンの決め台詞を真似て慰めるヨンハの心憎さよ(涙)
そう言って並んで歩き出し…ジェシンの肩を抱いて
見つめているだけなのは、これが最後にしろよ
ヨンハとジェシン、この悪友とも親友ともいえるふたりの関係にも胸打たれるシーンです。
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さあ、そしてお待ちかね、私のお気に入りのシーン!
マジでここは観過ぎて台詞をほぼ覚えてしまい、本人が言う前に自分で台詞を言うという、いっこく堂の腹話術の衛星中継ネタ(ってわかる人いるのか…?)みたいなことになってるんですが、気にせず参ります!(いや、気にしろや)
牢の中をそっと覗くユニ、もうここからのユニの表情とか視線とか口調とかが完全恋する女の子モードなのがポイントですね。
牢屋の中でもきちんとしているソンジュンw
目を閉じて眠っているのか、ユニはただその姿を黙って見つめます。
この角度の横顔がまた最高に素敵でさあ…そりゃ私だってもうずっと見てられますわ。
そのうち涙が出てきて…私の涙も出てきて(それはどうでもいい)立ち去ろうとするユニの気配に気づいたソンジュン、嬉しそうに近づきます。
やつれたみたいだと言ってソンジュンの頬に触れるユニの指には再びあの指輪が!
それに気づいたソンジュンの嬉しそうな表情よ…(涙)
父親のことに左議政が関わってないことを聞いて「愚かだけど…良かったと思った」と正直な気持ちを語るユニ。
それでもソンジュンが自分が代わりに許しを請いたいと言うのですが、それに対するユニの台詞がもう私のツボにストライクでして。
내가 줄 수 있는 건 용서가 아니라… 정인, 여인의 마음뿐이오
私があげられるのは許しではなく…情人、女人の心だけ
ここの字幕、「정인」の部分を「愛情」と訳してて、すごく工夫を感じ取れるんですけど、上手く言えないんですが私はここ直訳のほうがグッとくるんです。
情人は「恋人」みたいな意味合いになるんでしょうが、情人っていう表現のほうがちょっとエロティシズムがあってよくないですか?w
ユニが自分からソンジュンに「私はあなたの情人(恋人)よ」とはっきり言ってるわけですよ、そして、あげられるのは自分の女人としての心よ、と!
それを男装のままで言わせているのがまた心憎いというか、この物語の鍵である「男装女子」のパラドックス感をうまく利用していて妙に艶っぽいというか。
続く台詞で今度はソンジュンが自分の「情人」であり、情人としての愛情だけほしいと言います。
그러니 내게도 죄인의 마음이 아닌 정인의 마음만 주면 좋겠소.
だから私には罪人の心でなく情人の心だけくれればいい
もうなんか…もうなんか…ね、なんかすごくないですか?(語彙力)
意図しているのかしてないのかわかりませんが(たぶん意図していると思う、この監督さんはそういう人だw)、私はかなり官能的なシーンに感じました。
蝋燭の炎が揺れる薄暗い牢獄の中、格子越しに見つめあいながらの「愛の交歓」って感じでドキドキします。
そして、この台詞群を言っているあいだソンジュンは台詞無しなんですが、このユニからの愛の直球を受け止めているソンジュンの感情を表情だけで表現しているユチョンの演技のすごさも見逃せません!
はー、もう、満足すぎてここで終わってもいいぐらいなんですけどw、まだまだ大事なところが残っている19話、すごい濃密さです。
だって、この「女人の心」発言をこっそり聞いていた人がいましてね…
ヒョウン(とポドゥル)!
はい、いやな予感しかしません。
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明けて翌朝、ユニは儒疏の準備。
みんな参加してくれるかどうか不安ですが…まずはヨンハが現れます。
捲堂とはハンガーストライキでもあるので、みんなも朝食抜きでそのうち来るだろうと声をかけてくれますが…
昨夜の「本物」の紅壁書作戦が効いたのか、みんな集まりはじめました!
俺は最初からイ・ソンジュンを信じてたよーとか言っちゃって、このやろ…いやいや、君たちちょっとさ…(拳に息を吹きかける)
そして、副会長も来たー!!
副会長は言われる前に自己申告w
自分でも分かってるよ、卑怯で怖がりだってこと
昨日は悪かった、警戒心が強くてな
この人も悪い人じゃないのよねw
ヨンハも合流し、わだかまりも解けたところでジェシンが登場しますが…
コロ先輩、初の正装!(私服の)
ユニもびっくりw
やっぱりワイルドなグランジルックより私はこっちのほうが好きだなーw
まあ、このギャップがいいんですけどね!
そこへやってきました、インスたち。
当然、儒疏に行かないように脅しますが、もはやその権威は失墜して誰も従うことはなく。
自分の横を儒生たちが通り過ぎていくのを黙って見るしかないインス。
ヨンハはこのあいだのお返しとばかりにこう言って立ち去ります。
私たちが先に君を捨てたわけじゃない
君がこの成均館を捨てたのが先なんだ
それを忘れるなよ
さらに追い打ちをかけるように、あのゴボンが反旗を翻します!
掌議、本当に分からないのか?
僕みたいな馬鹿でも掌議が間違っているって分かるのに…
あんたといるともっと馬鹿になりそうだ
カン・ムまで「これ以上壊れていく姿を見ていられません」とゴボンと一緒にユニたちを追っていき…。
溜飲が下がる良いシーンなんですがw、ゴボンとカン・ムがインスへ嫌悪感を持ち始めたシーンを入れてくるのが遅すぎて(もう2~3話前からあるとよかったかも)、この反旗の根拠が弱いのが残念ですね。
あと、ビョンチュンはどうなったのか?というところも気になるところで。
インス側に残ったけど、もしかしたら気持ちとしては一緒に行きたかったかも…彼もけっして根っからの悪人ではないですから。
そしてクライマックス、儒疏のシーン。
これは他の韓国ドラマでも見るやつですよね。
「お考え直しください、王様~!」って集団で抗議する、アレですw
だいたい家臣たちがやるんですけど、たまに「成均館の儒生たちが抗議にきてます!」っていうシーンを別のドラマでも観たりします。
でも、儒生といってもおっさんばかりで「なんじゃ、こりゃ」となったりw
実際はドヒョンみたいにそんなに若くない既婚の儒生が多かったようです。
このドラマではイケメンたちを引き連れて男装の美少女が筆頭となって現れる、ビジュアル的にもかっこいいシーンとなりましたw
宮殿の前に現れたユニたち、腰を下ろして要求を述べます。
イ・ソンジュン儒生を放免してくださいませ
官軍に謝罪をお命じくださいませ
宮殿の中から取り継ぎの役人が出てきて、儒疏の内容の口状を伝えながら書状を渡すユニ。
この一連の流れがかっこいいです!
堂々たる態度のユニを見るジェシンとヨンハのまなざしが優しくて泣けます…。
テムルの奴、なかなかやるじゃないか、と誇らしげに笑うヨンハにジェシンが「成均館の儒生だからな」と。
このくだりに、ユニが女の子だと知っているふたりが、いろいろあったなかで絆を深めていき、性別を超えてユニを仲間としてちゃんと見ている感じが受け取れて胸をうたれます。
そして、ここからのシーン、もう私、こういうの大好きなんですよおおお。
ザ・学園ドラマ!青春ドラマ!って感じで。
引き続き儒生たちの掛け声が響くなか、ユニが皆のなかを分け入って進むと、それぞれがユニに視線を送り…。
ジェシン、ヨンハ、へっぽこ3人組、副会長たち、そしてゴボンやカン・ムも…
それまで敵対したり、ふざけあったり、協力しあったりしながら、同じ時間を過ごした仲間たちとユニとの関係がユーモアもありつつ爽やかに描かれます。
ここの劇伴がサントラの中でも特に好きな「ソンジュンのテーマ」という楽曲なんですが、私はここのシーンでの印象が強くて。
ソンジュンだけでなく「これぞ成均館スキャンダル!」というドラマ全体のイメージも表現されてる気がするんです。
ほんとうに… (成均館は)良いところですね、父上
良き友たちと出会い、心を分かち合い、意志を果たすこと
書物では出会えない希望に満ちた顔を私は見つけました
ユニのこのモノローグに、ストリングスで壮大に奏でられたこの曲が合わさることで、若者(じゃないのもいるけどw)たちのひたむきさ、純粋さ、情熱などがさらに引き立つように演出されてると感じます。
この後、ひとり成均館に戻ったのでしょうか?部屋でパパの遺品を取り出すユニ。
いよいよ、金縢之詞の謎が解き明かされるくだりです!
木片を扱っていると裏に何か彫られたような模様に気付き、すべてのパーツを並べながら幼い頃の記憶が甦ります。
父上が夢見た新たな朝鮮とはどのような世の中ですか?
そこでなら女の私が抱くこの希望も… 罪にはなりませんか?
そのユニの心の問いは、はるか昔、小さな娘を前に父がヒントを与えていたのでした。
遺品となったその木片をユニに示して、それはユニ、お前自身だと。そして「これが希望でもある」と。
もうね、ここはユニのモノローグとパパとの回想が良すぎて、また涙腺が…(今も文字を打ちながらウルウル…)
チビユニちゃんが可愛いのはもちろん、ミニョンちゃんのモノローグの抑えめな語りがまた素晴らしくてですね!
幼いユニにはパパの言葉がまだよくわからなかったけれど、時を経てこの瞬間につながったユニの目からは涙がこぼれて…。
そしてパズルが完成すると、そこには…
現れた「門」の文字にピンときたユニ。
走り出した先は、そう、あの泮村(パンチョン)に向けて開かれた門!
「学びの向かう場所」「国の始まり」…それは14話、木の上でお兄さんの言葉としてジェシンがユニに伝えた台詞に答えが隠されていたのでした。
”成均館の門は王のいる宮殿でなく、朝鮮で最も卑しく、蔑まれる泮村に向いている”
このフレーズこそ終盤のカギを握る超重要キーワードです!
この門は1話からちゃんとセットが組まれて度々登場していたんですけど、ちゃんとこういう伏線のもとに存在していたんですね。
門の下の土を掘り始めたユニ、すると何か埋められているのが見えて…
王様が探し求めていた先代の王様が遺した書状、そして新しい朝鮮をつくる希望。
ついに見つけましたー!!!
これにてめでたしめでたし…といきたいところですが!
その頃、ヒョウンがキム・ユンシクは女だったとポドゥルと話しているところをインスが偶然耳にしてしまい…
ユニの運命やいかに!?
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連続ドラマって実は最終回より最終回前のほうが盛り上がるというか、盛りだくさんになったりするの、あるあるですよねw
長距離走に例えると、最終回はいわばゴールした後のウィニングランみたいなもので。
最終回前はそのゴールに向かってラストスパートかけてるところですから、ある意味この回が面白いドラマは構成としては成功しているといってもいいのではないでしょうか。
この19話はまさにそれで、それまでの伏線も一気に回収されるシーンが多くて、ほんとうにどのシーンも重要で取りこぼせない密度の高い回でした。
ソンジュンの出番がちょっと少なめだったのはご愛敬でw
いよいよ最終回はこのドラマの肝、周囲に秘密が知られてしまったユニの顛末を中心に展開します。
ユニはどうなってしまうのか?
ソンジュンとの仲は?ジェシンやヨンハは?
そして彼らの未来は…?
最終回は最後の最後の1秒まで、嘘偽りなくエンディングがかかる1秒前まで!w
見逃せない内容となっておりますのでお楽しみに。