【つまみ食いレビュー】韓国映画のお気に入りを紹介します(恋愛映画編)
GWはおうちで映画を観よう!キャンペーン、はじめました。(冷やし中華レベル)
というわけで、僭越ながら私のお気に入りの韓国映画について語ろうという次第です。単に私が紹介したいだけともw
韓国映画と言ってもいろいろジャンルもありますので、第1弾として「恋愛映画編」を시작!
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美術館の隣の動物園(1998)
韓国映画の恋愛もので好きなものと言えば絶対にこれを挙げるほど、私の長年のお気に入り♡
「印象最悪な出会いから始まるロマンチック・ラブコメディ」という、私の大好物でございます。
「美術館の隣の動物園」とは
①物語のなかで登場する施設(実際に隣り合っている)
②主人公のチュニ(シム・ウナ)が書いているシナリオのタイトル
というふたつの設定がかけあわされていまして、なおかつ「美術館」は女性で「動物園」は男性のメタファーになっています。
チュニはシナリオライターを目指していて、とある男性に片思い中でもあるんですが、そのチュニの部屋にチョルスがやってきます。
兵役休暇中のチョルスは恋人の部屋を訪ねたつもりが彼女は何の連絡もなしに引っ越していて、チュニがすでに住んでいたのでびっくり。
つまりチョルスはふられていたというわけで。
それでまあいろいろあって一緒に住むことになる…という、はい、もうよくある展開ですねw
まずね、このチュニというかシム・ウナが魅力的なんですよ。
がさつで身なりに構わなくて口の利き方も荒っぽいんだけど、片思い中の男性を前にするともじもじしたりして。
明日その男性を会えるってなると「垢すりに行ってくる!」とか部屋を飛び出したりしていちいち言動が可愛いの。
私このシーン観て「あ、韓国の人ってほんとうに日常的に垢すりに行くんだあ…」と感心しましたね。
そんなチュニに惹かれていくチョルスを演じるイ・ソンジェも素敵。
チョルスはふられた彼女の心を取り戻したいんだけど、だんだんチュニが気になっていって…こういうお約束の展開をとても自然に演じててたまらんです。
面白いのは、この映画は二重のしかけになっていることで。
本編の中にチュニが書いているラブストーリーのシナリオの世界が並行して描かれるんですが(このシーンはモノクロになります)、その世界の主人公の男女はそれぞれチュニが片思いしている男性(アン・ソンギ)とチョルスの元カノ(ソン・ソンミ)なんですねw
そのシナリオの世界の中でそれぞれが自分の理想を役に投影させるんですが、理想はあくまで理想であって、大切なのは現実の目の前にいる存在なんだということに気付いていく構造になっているのが面白いです。
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春の日は過ぎゆく(2001)
「チャングムの誓い」の影響か、品行方正で逆境にもめげない、まるで朝ドラのヒロインのようなイメージが強いイ・ヨンエ。
実はそれとはずいぶん違う役も演じてるんです。
この作品でのイ・ヨンエは「離婚歴があるラジオ局のプロデューサー」という女性の役なんですが、まあまあ癖のあるタイプでしてw
あらすじとしては、「男女が出会う→付き合う→別れる」というひとつの流れを追ってるだけなんですが、その過程のおける男女の心の機微といいますか、そういうものが淡々と描かれてるのが見どころでしょうか。
この作品で有名なのがウンスの「라면 먹을래요?(ラーメン食べる?)」
ウンスの家に泊まりたそうにしているけど言い出せないサンウに向かって言う台詞なんですが、要するに「一晩一緒に過ごさない?」というお誘いの表現です。
ユチョンもタイのバラエティ番組に出た際にMCさんに「ラーメン一緒に食べたいわ♡」って言われて苦笑いしてましたねw
「愛の不時着」でも出てきてましたよね。
ク・スンジュンが「韓国では”ラーメン”に深い意味があるんだ、だからラーメン食べる?って他の男に言われても断れよ」と言うとソ・ダンが「なんで断るの?私は別にいいのに」と。
それでスンジュンが「”いい”ってどういう意味?ラーメンが?そういうことを言う男が?それとも……俺が?」とドキドキして困惑するくだりですw
こういうのを観て、私はこれ昔から韓国にあるフレーズなのかと思ってたのですが、この映画が元ネタと知ってびっくり。
あと、インスタントラーメンの麺をそのまま齧るのにもびっくりしましたw
私もてっきり韓国で昔からある言い回しなのかと思ってましたので驚きました
— シナモン (@spice21385368) 2021年3月7日
イ・ヨンエが年下の男の子を翻弄する役なんですが、これが観る人によって魅力的に映るかジコチューに映るかに分かれそうです😅
感想ぜひ聞きたいので観てみてください♡
Twitterでも言ってますが、このイ・ヨンエ演じるウンスに感情移入できるかどうかで作品の感じ方も左右されそうです。
ウンスが好きなサンウ(ユ・ジテ)は一途で真面目な年下の青年なので、私も最初観たときは「ちょっともてあそび過ぎじゃね?サンウかわいそうやんけ」と思ったんです。
でも年齢を重ねてから観るとウンスの言動も全く理解できないってことはなくなったりして。
バツイチのウンスは結婚に対してもう幻想を抱いていないので、結婚を意識し始めたサンウをちょっと疎ましく感じ始めます。
このあたりのウンスの言動のリアルなことよ…w
実はこのウンス役は先に紹介した「美術館の隣の動物園」の主演であるシム・ウナが最初候補にあがっていたそう。
しかし、この頃シム・ウナに結婚&引退という報道が出たためキャスティングを見直したとのこと。
確かにシム・ウナでもよさそうな役柄ですが、こういうイ・ヨンエもすごく魅力的なので結果よかったんじゃないかと思います。
サンウが録音技師という職業だけあって「音」がモチーフにもなってるのも印象的です。
風や波といった自然の音が効果的に使われてます。ラストシーンもすごくいい。
あと、離婚して一人暮らしをしているウンスの部屋が全然スタイリッシュじゃなくて生活臭があるのが個人的にポイント高いです。
VODサービス:取り扱いなし
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ビューティ・インサイド(2015)
寝て起きたら毎日違う姿に生まれ変わる特異体質の30代の家具職人男・ウジンが恋をしたのはインテリアショップで働くイス。
一体どんな姿のときにどんなタイミングで告白すればいいんだ!?…というファンタジー恋愛もの。
イスを演じるのは「トンイ」でお馴染みのハン・ヒョジュ。
現代のファッションに身を包んだハン・ヒョジュはスタイルの良さが際立ちます!(身長172㎝の超モデル体型!)
ウジンの役は基本はキム・デミョンなんですが、韓国人の美女になったり(パク・シネ)、イケメンになったり(パク・ソジュン)、はたまた日本人の女の子になったり(上野樹里)と目まぐるしく変わりますw
その数、なんと100以上の「ウジン役」!
アジョシのパターンもありますが、これが「海にかかる霧」の甲板長役のキム・サンホが演じていて味わいがありますw
奇想天外な設定ですが、様々な年齢・性別・人種に容姿が変わることで「人は姿に関係なく相手を愛せるか=中身だけで愛せるか?」という究極の愛の本質がテーマになっています。
個人的には容姿もその人の魅力の一部と思うので、悩ましいところでありますw
ちなみにこの映画も「春の日は過ぎゆく」と同様にとある台詞が話題になりました。
それがウジン(外見はパク・ソジュン)がイスを誘うときのシーン。
「ステーキが好きですか?それともお寿司が好きですか?」
なぜこのフレーズが話題になったのか理由はちょっとわかりませんが…w
ご存じの方いたら教えてください。
VODサービス:Netflix、U-NEXT、dTV
宅配レンタル:Amazonプライム・ビデオ、TSUTAYAディスカス
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韓国映画の恋愛ものといえば「私の頭の中の消しゴム」「建築概要論」などが代表例にあがることが多いですが、今回はそれをちょっとはずしてみました。
GWの映画鑑賞の参考のひとつになれば幸いです(^^)
よい連休を!