風味絶佳

エンタメは人生のスパイス

【つまみ食いレビュー】暑中お見舞い代わりにお気に入りの胸キュン映画について語ります(SNK映画編)

暑中お見舞い申し上げます

「暑いですねー」「いやあ暑いですねー」というやりとりを1000回以上はしてるような気分のこの夏、いかがお過ごしですか。

とりあえず私は冬がめちゃめちゃ苦手な夏大好き人間なので、どれだけ災害級の酷暑だろうが耐えられます。

さてさて先日、Twitter…ってもう言わないのか、Twitter改めX(でもさ、ここだけの話”エックス”ってダサくない?)にて興味深いハッシュタグを見かけまして。

サブスクしてないけど観たい映画で即座に思い浮かんだのが「シュア・シング」でした。

ちょうどこの作品を含めたSNK映画のレビューを下書きのままずっと放置していたので、渡りに船とここで公開することにしました。

いやあ、お蔵入りせずにすんでよかったわあ…て、ちょ待て待て。

SNKとは何ぞや?

解説しよう!

それはですね

S(好き合ってるくせに意地をはったり気持ちを誤魔化したりして)
N(なかなかくっつかないカップルに)
K(キュンキュンするのが好き)

という私の性癖です(お前のかい)

それを考えると、SNK要素120%の成均館スキャンダルにハマらないわけはなかったんだよなあと今更思う次第。


というわけで、以下が私のお勧めするSNK度が星★★★3つのラインナップ。

書き出して気づいたわ、これ全部

ロードムービー要素

がある作品じゃん…!

ヒッチハイク、または乗り合わせなどで「不本意ながら限られた空間でしばらく一緒に過ごす」という要素がどうも肝のようですね?(ということは、ルームシェアとか寮生活とかにも応用できるわけですよ!)

謎が解けたぜ…!

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或る夜の出来事

はっきりいって教科書みたいな作品です、SNKジャンルの

絶妙なシチュエーション
洒落た会話
次々に起こるハプニング
小粋なキャラクター群

すべてに置いて完璧

富豪の令嬢エリー(クローデット・コルベール)は、プレイボーイの飛行士・ウェストリーとの結婚を父親に反対されていた。(中略)反発したエリーは(監禁されていた)ヨットから海へとダイブし脱出に成功、マイアミからニューヨークに向かう夜行バスに乗り込んだ。

そこに乗り合わせたのが、上司とウマが合わず失業中の新聞記者ピーター(クラーク・ゲーブル)。ほんの些細な勘違いから二人は座席を争って大げんか、互いの第一印象は最悪であった。(中略)
所持金も少なくなり、乗客の中にはエリーの正体に気づいてよからぬ企みをする者もあらわれたので、2人はバスを降りてヒッチハイクをしながらニューヨークを目指すことに。(或る夜の出来事 - Wikipedia

ちなみにWikipediaに載っているあらすじはめっちゃ大事なラストシーンまで含めて全部ネタバレしてるので読まなくてよしw 
上記の分だけでオッケーです。

古い作品だけど、車をヒッチハイクするシーンは有名なんじゃないでしょうか。
ピーターに「君にヒッチハイクなんてできるの?」と笑われたエリーが「私は私のやり方があるの」と歩き出すと…

www.youtube.com

あと、エリーの父親とピーターの上司、この二人がね、もう

最高に粋でかっこいいの

ただの頑固親父やいけ好かない上司ってだけのキャラじゃないの。
ここも注目してほしい。

監督はフランク・キャプラ
アメリカを代表する名監督ですね。

或る夜の出来事」を含め「オペラハット」「我が家の楽園」と3度アカデミー監督賞を受賞しました。
だからおすすめってわけじゃないけど納得の面白さです。

 

シュア・シング

「シュア・シング」の監督は「恋人たちの予感」のロブ・ライナーなのですが、ヒットした「恋人たちの予感」に比べてこちらは知名度はいまひとつなのが悲しい…。
制作の順番としてはこちらが先になります。

舞台はアメリカ東部の大学、女の子をひっかけることばかり考えているウォルター(ジョン・キューザック)と真面目で品行方正なクラスメートのアリソン(ダフネ・ズニーガ)。

ウォルターは「カリフォルニアにはシュア・シング(=簡単に“OK”する女の子)がいっぱいいるから遊びに来い」という同級生の誘いに乗る形で

アリソンは遠距離恋愛中の恋人に会いに行くという形で

それぞれ西海岸へ向けて行動を共にすることになりますが、案の定ケンカばかりで…


…というのがあらすじです。

ねー、もうこれだけでキュンキュンするでしょ!?www

もうねえ、とにかくジョン・キューザックがいいの!
チャラくて、スラングも多くて、素行も雑なウォルターが下品になりすぎないのはジョン・キューザックの愛らしさのおかげ。

ダフネ・ズニーガも堅物な女の子を好演しています。
ウォルターに感化されてついにはっちゃけるシーンがあるのですが、そこもいいです。

そして私の大好きなシーンがありましてん!

それは道中でヒッチハイクを成功しやすくするために妊婦の振りをしたアリソンとウォルターが車に乗っているとき。

運転している老婦人から「名前を決めてあるの?」と聞かれて、アリソンは「女の子ならCynthia(シンシア)、男の子ならEliot(エリオット)です♡」と嬉しそうに言うんですわ。

すると、それを聞いたウォルターが「そんな名前つけたらメガネをかけたデブのチビになっちまう」とダメ出しwww(全世界のエリオットさん、私が代わりに謝ります)

それでウォルターが代わりに挙げた名前が

「Nick!男ならNick!車で吐いても怒らない奴だ」

それを聞いたときのアリソンの「げええ」って顔が最高w

この名前のくだりのニュアンスはネイティブの方ならわかりやすい感覚かもしれないけど、全世界のNickさんに失礼ですが、まあちょっとヤンキー臭があるんだろうなと解釈しましたw

youtu.be

なんかラストはあっさりしすぎる感もあるのですが、この二人が惹かれあっていく過程と会話がとにかく楽しいし、80年代な感じも今だと新鮮に映るから私もまた観なおしたいです。

マジで動画配信サイトで扱ってほしい…もっと世に広まってほしいわあ…。


恋人たちの予感

演出と映像と脚本が格段に洗練された「シュア・シング」、それが「恋人たちの予感」ですw

いちおうテーマは「男女間の友情は成立するか?」というものですが、単純にセリフや演出が楽しい作品なんですよね。

ところどころに挿入される一般の老夫婦が自分たちのエピソードを語る演出も見どころです(私が好きなのは何回も結婚と離婚を繰り返す夫婦です)

ちなみに公開当時、この「恋人たちの予感」という邦題はブーイングがあったようで。
原題はというと「When Harry Met Sally...」、うん…まあ…映画会社の人たちも困ったんでしょうw

タイトルはともあれ日本で大ヒットして、メグ・ライアンもこれでグッと人気が出た気がします。

確かにこの作品のメグ・ライアン、ほんと可愛いの。
こだわりが多い(アップルパイにはクリームをかけるな、クリームは横に添えてくれ、とかww)ヒロインを魅力いっぱいに演じてました。


この映画の好きなシーンと言えば、私はやっぱり序盤の同じ車に乗り合わせてニューヨークを行く道中が好きです。

まあ、ふたりともどうでもいい話を早口でくっちゃべるくっちゃべるw
この応酬がたまらんのですよ。
このあたりは演技のセンスも要求されるところだなあって感じです。

ちなみに私はこのシーンにある会話のおかげで間食のことを英語で「Between Meal」と呼ぶことを学びましたw(↓この予告編にも出てきます)


www.youtube.com

そして、この作品でも「シェルドンなんて名前の男はダメだ」ってセリフがあったりして、どうもライナーはこういう名前イジリが好きみたいですw


ラストのプロポーズのシーン(台詞)はもう殿堂入りじゃないですか?
あんなこと言われてグッとこない人間がいるんでしょうか…(´;ω;`)

ネットで検索したら確実に出てくるのでネタバレOKな人はよければどうぞ。

脚本ノーラ・エフロン、監督ロブ・ライナーのコンビはこういうジャンルが天下一品。
しかし監督は全く趣きの違う「スタンド・バイ・ミー」や「ミザリー」なども手掛けるからすごいですね。the 職人。


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残念ながら「或る夜の出来事」と「シュア・シング」は動画配信サービスになくってですね…(「恋人たちの予感」はU-NEXTにあります)

もしレンタルビデオ店やテレビ放送などで観る機会があったら是非に…ということで。