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【つまみ食いレビュー】成均館スキャンダル 14話【ネタバレあり】

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My Favorite Scene in LESSON 14
TITLE「木の上のふたり(良い子は危ないからマネしないでね)」

 

木に登ってユニとジェシンが会話するこのシーン、ストーリー上の伏線となる大事なシーンで、演出もよかったです。

ユ・アインもここのシーンが心に残っていると言ってました。

 

ちなみに原作にもこの木登りのシーンがちゃんとあります。場面が夜だったり、話の流れなんかも違うんですけど。

 

このドラマ、ほんとうに原作からうまーくエピソードを取ってきてるんですよ、そのへんも感心します。

 

ここは重要なシーンなのでのちほど詳しく!

 

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よし、じゃあ前回からの続き!

場所は享官庁(ヒャンガンチョン)、あのユニのお風呂覗かれ(未遂)事件のところです。

 

負傷した赤壁書が逃げ込んだということで成均館がにわかに騒ぎ出すなか、大けがを負ったジェシンを享官庁で休ませるユニ。

ここはあまり人が来ないって知ってますからね(こんなところで役立った!)

 

ここからまたユニが大活躍なんですわ。

享官庁への運搬、中庭にあるジェシンの足跡や血痕等の証拠隠滅、止血するための道具の調達、ユニたんすげえ。

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ジェシンを献身的に介抱しながらユニは赤壁書の正体を察します。

先輩、赤壁書でしょ?なんて冗談で言っていたことが事実だったとは…。

 

そして、ここからがなんともまずい展開に。

冷たい言葉を放ったものの、やっぱり気になってユニを探すソンジュン。

 

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見つけたと思ったらユニが中庭で不審な行動をしてるので思わず後を尾けると…

目に入ってきたのがこの光景。

 

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またアングルが悪すぎるというか良すぎるというか…w

 

動揺しまくってるソンジュンとばったり出くわしたのが左からドヒョン、ヘウォン、ウタクのへっぽこ(死語)3人組。

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この連中がこのあと火のないところに煙を立てる役割ですw

 

さて、偽赤壁書だったチョソン。兵曹判書に意味深な台詞を言います。 

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約束は必ず守ってください

一度くらいはまともな人として生きてみたいのです

 

一体どんな秘密が隠されているというのか…気になるところですが詳しくはWEBで!じゃなくて最終回で!w

 

さて、ジェシンとユニはヨンハが自分の部屋に匿って事なきを得ます。

ちゃんと医者も連れてくるあたり、さすがヨンハ。

しかし、享官庁にヨンハのものと思われる扇子が落ちていたことから、インスはヨンハのいる部屋へGO。

 

ここのあたりでヨンハの一人部屋の詳細がわかって面白いです。

 

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おしゃれさんらしくインテリアも華やかできらびやか。中二房の質素さとはえらい違いw

いろいろ家宅捜査をされたり尋問されたりしますが、ヨンハがうまーく追及を逃れて、そのうち先生もやってきたりしたためインスも渋々退散。

 

ジェシンとユニはどこにいたかというと

 

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じゃーん、衝立の向こうのクローゼットの中に隠れてました。

何気に膝枕してもらっているジェシン、ちょっと役得?w

 

ようやくゆっくり養生できるみたいで、みな一安心。

ヨンハはジェシンの手を握ってスリスリw

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このへんのジェシンとヨンハのやりとりは長年の友人というより熟年夫婦のようで面白いw

 

今夜の件は3人だけの秘密だとヨンハ、カランにも言うなと。

別にハブにしてるわけではなくソンジュンの立場を思ってのこと。老論派のソンジュンにはヘビーな内容ですしね。

 

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その頃、宮中では別の動きがありまして。

 

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王様はどうも病に冒されていて時間がないようです。

もう待てないと、ユニたちを金縢之詞(クムドゥンジサ)探しに協力させたいことを博士に伝えます。

 

ユニが女であることを知っているチョン博士は万が一のときを考え「責任は自分が取るから、何があっても彼らに罪を問わないでほしい」と。

 

わーん、先生…!

そうなんですよ、結局ユニたちを守ってくれる最後の砦はチョン博士なんですよね…。

 

約束すると王様は宣言しますが…この約束がどうなるかは…?

 

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翌朝、ユニとヨンハの看護のおかげでジェシンも回復。めっちゃ早いな!

ここで眠り込んでいるユニを見つめる先輩が切ないわ…。ヨンハももうちょっと見てあげて…w

 

目が覚めたユニは(寝たふりしてる)ジェシンの様子をみて安心し、中二房に戻ります。

すると、やけ酒を煽っていたらしきソンジュンの姿が。

 

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飲めないお酒を飲もうとするくらいあの光景はショックだったんだよね、ううう…。

 

相変わらず冷たい態度のソンジュンにユニは「もういい、わかった、望みどおり単なる同室生として付き合うから」と言って立ち去ります。

 

はー、誤解とすれ違いがインフレスパイラル起こしてますわ。

 

ユニが部屋を出るとスンドルがいて、結納の日が決まったと嬉しそうに報告なんかしちゃって。

 

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傷口に塩を塗るとはこのこと。

 

余談ですけど、このときスンドルが持ってる干し柿、「곶감」って言いますが韓ドラで結構見ますよね~。

韓国の名産品として今も人気ですし、甘いものが貴重だった時代には高級な甘味としてお祝いの席などにも出されたようです。

「屋根部屋のプリンス」にも重要な食べ物として出てきましたね!

 

イさん家のソンジュンくん、今まで22名の友人候補が逃げ出してたらしく(ここは笑うとこなのか泣くとこなのか…w)、その性格ゆえに誰とも友人関係が長続きしなかったことがスンドルから暴露されます(なんかそのへんスピンオフで見てみたい)

 

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相手の足りないところも受け入れないと

きれいな学士様は何が足りないんですか?

 

このスンドルの台詞を受けてのソンジュンの返しが、これを思いついた脚本家さんに握手したいぐらい、私のツボに入った台詞でした。

 

 

足りないんじゃない
僕の気持ちが…僕の気持ちがあり余るんだ

 

なんて文学的で詩的で、かつソンジュンの切ない気持ちを表している素晴らしい表現でしょうか…!(涙)

 

いいドラマっていうのはほんとうに台詞が宝石のようにキラキラしてるもんなんですね。

 

レビューが終わったらやりたいことのひとつに「(仮)私が勝手に選ぶ!大好き台詞コレクション」というのがあるんですが、この台詞は絶対に入れます。もう絶対です!

 

それぐらい、これは初見のときにぐううううと唸った台詞でした。

 

しかし、「My best quote in 成均館スキャンダル」は別にありますので、それはまたそのときにでも!もうめっちゃ熱く語る予定ですw

 

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さて、これ以降、この回の話題はこれ一色となります。

男色騒ぎ!

 

これは原作にも出てくるエピソードなんですが、ここまでシリアスじゃないというか物語を大きく変えるほどではないというか。

 

しかしドラマでは、中盤の最後のターニングポイントとして挿入され、このまま次回15話の衝撃的展開まで引っ張るところとなります。

 

ユニとジェシンは秘密を共有している仲として何かとコソコソしちゃうんですが、その様子を見られて誤解が誤解を生み。

そこへ、あのへっぽこ3人組がさらに尾ひれをつけて、あっという間にあの二人は怪しい、そういう関係では?という噂でもちきりに。

 

まったく「人の口に戸は立てられず」とは古今東西変わらないようで。

 

ソンジュンもその疑惑で頭がいっぱいになってるのですが、ユニは自分は男だよ、男を好きになるなんてありえない」ときっぱり。

 

ぐあー、ユニたん、ソンジュンの心をこれでもかと抉る抉る!

 

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このグサッときてる瞬間の顔が切なくもありつつ、ほんとに上手いなあと感心してしまいました。

 

職員室でもその話題でもちきり、ならば真実を確かめましょうと斎会(チェフェ)が開かれることに。

 

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「男色醜聞」の文字のインパクト!

こういうとき日本人でよかったなあと思いますね、書いてあることがなんとなく解読できちゃう。

例えば「真相調査 是是非非 明白」なんか、そのまんまw

 

インスはこのあいだの杖打大会で、ソンジュンを負傷させた罰として掌議(生徒会長)の資格を半月停止されてたんですが、この騒ぎを利用してリベンジをはかります。

実際のとこ、ふたりが男色かどうかには感心がないインス、それより赤壁書の正体を暴き、ジェシンとユニを除名(退学)に追い込むのが目的。

 

そんな陰謀が計画されるなか、ソンジュンは校長から「もうあのふたりとは関わるな」と言われます。

 

ここで校長が言う台詞がちょっと肝なんですよね。

両班にとって男色は死刑宣告に等しいのだ」と。

 

現代の価値観では測れない部分ではありますが、ここまでの深刻さを強調しないとソンジュンの苦悩もこの騒ぎも説得力がなくなってしまいます。

特にソンジュンは両班両班、それも左議政(現代の副首相)の息子、そんな身分で男色なんてことが世間に知られたら…という枷をここではめてるわけです。

 

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そんなこんなでユニとジェシンはすっかり噂の的に。

 

私、ドラマとか映画で何が一番つらいシーンかって、こういう誤解のもとに村八分っぽくされちゃうようなシチュエーションなんですよ…。

イジメのシーンとかもほんと苦手で。

このドラマで唯一、ちょっと早送りしそうになるくだりですねw

 

ユニもやっぱり「やーいやーい」と男色のことで嫌がらせを受けるんですが…

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なんで野菜の切れ端を投げるのか???

当時はこれが主流だったんですかね?

 

タイミング良く、ここは通りかかったソンジュンが助けてくれました。さすがにこれはほっとけなかった。

 

ジェシンが赤壁書だという秘密はなんとしても死守しないといけないユニは「とにかく信じてくれ」の一点張りで。

ソンジュンはもう嫉妬と疑惑でガチガチになっているので、こっちも苦しくて苦しくて。

 

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僕が君のためにあとどれだけ

こんなに情けなくて愚かで…

自分らしくないことをしなければならないんだ

 

もうソンジュンは目も潤み…ほんとにここの切ない表情がすごいです…。


そして、ソンジュンとジェシンの対決シーン。

ばったり会ったふたりは言い争いを始めますが

 

大切なものを窮地に陥れて、世間から後ろ指をさされて…

先輩のいう「心配」とはそうやってするものですか?

だから、しっかりやれ(守れ)!

 

またもタメ口が出ちゃいましたが、ここはソンジュンの言い分が正しいかな。

さすがのジェシンもこの剣幕には気圧されました。

 

もっともジェシンからすれば嫌がらせする奴らなんて、このとおりわざと抱き着いて

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このコロの想い人はお前だと噂を流してこい

 

つ、つおいw

自分への嫌がらせなんて屁でもないんでしょうが、でもユニはね、女の子だって知ってるだけにありえない疑惑をかけられてるのがわかってるわけで。

 

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ジェシンも思うところあったのか、斎会の前日、講堂で勉強しているユニの前に現れ「本を読むより20倍面白いところへ連れってやる」と。この誘い方、ジェシンらしくて好きですね。

 

そこは都を一望できる大きな木の上。

 

なぜそこまでして赤壁書をやるのかというユニの問いに「そうでもしないと生きられないから」と答えるジェシン。

 

そして、兄が言った言葉をユニに聞かせます。

 

”成均館の門は王のいる宮殿でなく、朝鮮で最も卑しく、蔑まれる泮村に向いている”

 

このフレーズこそ終盤のカギを握る超重要キーワード!

 

泮村(パンチョン)は9~10話の盗難騒ぎのときに出てきた村のことですね。

 

成均館は出入口となる門が数ヶ所あるんですが、裏門のようなところにあたるのが泮村へ出る門です。

原作では「伝香門」という名が出てきますが、ドラマでは特に名称はないですね。でもたぶん、この門をイメージしていると思います。

 

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この門は実は1話の冒頭から出てきてるんですよ。

結構早いスピードで流れるシーンなんでわかりづいらんですけどw

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ここを出ると学生向けの商売をやってる通りがあり、カフェや受験用の雑貨などを扱うお店がなどが映ってました。

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そして、この近くにあるのがユニがバイトしている貸本屋などがある「雲従街(ウンジョンガ)」。

 

この門から泮村へ出るときに泮村橋(パンスギョ)という橋がかかっています。

これもちょこちょこ登場してる場所ですね。

 

1話でユニとソンジュンが追いかけっこしているときや、4話で飲み会の後に酔いつぶれたソンジュンをユニがおぶってた場所がここです。

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尊敬するお兄さんとの思い出をユニに話したことでどれだけジェシンがユニに心を許しているかわかります。

きっと自分だけの胸にしまっておいた大切な思い出でしょうに。

 

そして「すまない」と巻き込んでしまったことを謝ります。キム・ユンシクの名は汚さない、とも。

 

このことを今日までに伝えたかったというジェシン、どうも明日の内容次第では退学も覚悟しているような。

 

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一方ソンジュンは義理の父親になる兵曹判書にご挨拶。

当然ながら全然気乗りしてないので、兵曹判書の世渡り術の講釈も頭に入らず。

 

帰り道、ヒョウンが話しかけても上の空だし、なんといってもね、奥さん!

ヒョウンがここで自分から腕を組もうとしてきたら、スッとかわすんですよ!!!

 

うう…これが自分を欺いてなくて何だというのか、ソンジュン!!

 

そして、このときの気まずい雰囲気の顔がまた鑑賞タイムに入っちゃうんだわよ。

 

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このまつ毛の美しさ!この横顔の麗しさ!そりゃ一時停止も捗りますわ。

 

家に帰るとパパからも結婚を間近に控えている男の顔ではない、とか言われちゃいました。

もっともパパは妻の実家との付き合いの大変さがわかったのだろうと思ってるみたいで。いや、わかってないのはパパのほう…。

 

それなのにソンジュン、「結納をすませたらすぐに成均館を出たい」だって。もちろんパパも賛成です。

ぐああああ!早まるなああああ!!

 

そして翌日、斎会のシーン。生徒総会というか学級会みたいな感じですね。

なんと王様や官僚ですら介入できないという決まりで、かなり儒生(成均館の学生)の権力が強い会になってます。

 

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生徒会のメンバーも斎会用の制服に着替えてますが、これが黒を基調とした衣装でまたかっこいい。

 

一方ユニとジェシンは中心に座らされて、まるで被告人席のよう。

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そしてソンジュンが証人としてインスにあの夜のことを聞かれます。

ソンジュンはいったい何を話そうというのか…皆が注目しているなか…

 

「男色なのは僕です」

 

毎回思いますが、このドラマ次回への引きがほんとうに上手いw

こんなところで続く!

 

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ドラマの中で観るのが辛かったところはとこだと聞かれたら、たぶん12~14話あたりを挙げる人が多いんじゃないかと。

ガラスの仮面」で例えるなら(例えるな)、北島マヤが乙部のりえの策略にハマって芸能界で失脚するあたり、花とゆめコミックスでいうと16巻くらいでしょうか。

 

いや、ほんとうに辛かったよね…うんうん(涙を拭う)、ここまでお疲れさまでした。

 

その昔、「15、16、17と 私の人生辛かった…」という歌がありましたが(なぜそんな古い歌を知ってるのかというツッコミはなしで)

 

このドラマはむしろ

15、16、17(話)がハッピーセロトニンがドバドバの回なのよー!!!

 

次回からようやくラブ要素が復活して、コペルニクス的展開(大袈裟)を見せます!

よっしゃあああああああ!(無駄な気合)