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【つまみ食いレビュー】成均館スキャンダル 20話 後編【ネタバレあり】

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Favorite Scene in LESSON 20-2
TITLE「happy ever after…and more」

 

亡き父の思い、王様の夢、それらを抱いて金縢之詞を探し出したユニ。

皮肉にも、そのために窮地に陥ります。

 

王様はどんな決断を下すのか?

ソンジュン、ジェシン、ヨンハはどうするのか?

 

そして4人の未来は…?

 

主題歌である名曲「찾았다」のイントロがかかる直前まで、いや、「찾았다」が流れるエンドロールまで必見の最終回!

 

後半となります。

 

************

 

いよいよユニが女性であることがほとんどの主要人物に知られるターン

その様子は伝言ゲームのようで。

 

前編にあったとおり、まずヒョウンからインスへ。

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インスから父親の兵曹判書へ。

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兵曹判書からソンジュンの父親の左議政へ。

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このときのパパのびっくり具合がいいですねw

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カットされているんですけど、ここでパパがふたりがしている指輪のことを思い出してピンとくるシーンがあります。

 

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これらのズームアップがここで活かされるはずだったのに…ここは入れてほしかったなー!

 

ここでパパはソンジュンがユニが女の子であるのを知っていて、尚且つ付き合っていることを察するわけでしょ?

ソンジュンがヒョウンとの破談を急に言い出した理由もこれで納得したわけでしょ?

 

だからこそラストのユニとの対面での行動になるわけで…ここ入れないとその説得力が薄れちゃうと思うんですけどね。

 

そして左議政からとうとう王様にまで…。

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ソンジュンパパは「金縢之詞のために、王様は愚かにも三綱五倫と綱常の道理を犯したのだ」とかなり手厳しく詰め寄ります。

だから、金縢之詞を公表するのはやめるべきだ、と。

 

三綱五倫は儒教の基本のこと、綱常とは「人が行うべき正しい道」の意味。

綱常の「常」は15話の斎会のときにソンジュンが説いた「仁・義・礼・智・信」の五常を指します。

 

実際は自分たち老論派を守るためという部分もおおいにあると思いますが、こういう論理で非難されては王様も拳を握りしめるしかなく…。

 

当のユニは王様の命で捕らえられ、宮殿に連れてこられていました。

 

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王様の前に罪人にように座るユニ。

顔をあげよと言われても恐ろしくて固まってしまいますが…

 

そこへチョン博士登場!

 

わーん、先生!待ってました!

先生、ちゃんと言ってたもんね、何かあってもあの者たちを責めないでくれ、自分が責任取るって。

 

王様もそれを承諾してたのに、やっぱりいざこういうことになると…大人って汚い!w

 

なんで言わなかった!って責めるけど、王様あーた、だからチョン博士も反対してたんじゃないのよー!

こうなる恐れがあるのをわかっていたからこそユニたちを巻き込むことに先生は躊躇してたのに…。

 

一生懸命ユニをかばってくれるチョン博士だけど、王様の怒りは収まらず…。

 

このへんは

王様=結局は古い考えや体制に固執する側
チョン・ヤギョン=新しい考えや世界を望む側

の対比ですね。

 

3人は先生のもとに集まってユニを助けてくれるように懇願しますが…

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先生も言葉少なに目に涙を浮かべて「もう帰りなさい」としか…先生、そんなあ…。

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その後、自宅の部屋で灯りもつけずに物思いに耽るソンジュン。

そこへパパがやってきて「情けない、未熟者め…」と静かに叱責しますが、ソンジュンはパパの足元にひざまずき…。

 

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ソンジュンの変化を見せる重要なシーンです。

そして、ここで私はユニへの愛情の変化も感じるところでもあります。

 

以前、私がああだこうだ言っていたギリシャ哲学の4つの愛

 

よく知られているのが

エロス(eros)本能的な愛、性愛

 

他に

アガペー(agape)無償の愛

ストルゲー(storge)家族愛

フィリア(philia)友愛

 

cinnamon2020.hatenablog.com

 

ふたりの関係は最初は友愛から始まって性愛に変化して…と私は見ていましたが、ここでついに無償の愛にたどり着いたかのような感じがするんですね。

 

自分のためではなくユニのためだけにただただ頭を下げている、そこに見返りを求めない愛を感じてしまうのです。

 

台詞で言うとソンジュンがユニのことを「그 아이」と言ってるのも気になって。

 

直訳すると「あの子(娘)」、字幕では「あの人」となっていますが、うまくニュアンスが伝えづらいんですが、ユニに対してすでに身内のような感覚というか、自分と一心同体的な感情すら湧いているような、そんな親密さがあるような感じがしてグッときます。

 

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あの娘に出会い、新しい世が開けました

書で学んだ男たちが作って活躍する世ではなく

僕の生きたい世が…

しかし、その世が崩れようとしているのです

 

それなのに

情けなく未熟な僕にできること

何一つありません

 

ですから

僕を助けていただけませんか、父上

 

涙を流し声を震わせながらソンジュンが父親に訴えるこのシーンは、これぞ成長譚というべき見ごたえあるところですね!

 

プライドが高く、常に自分の正しさに自信を持っていたソンジュンが「自分は何の力もない愚かな人間だ」と語るくだりは、今までのソンジュンの言動からすると別人のようです。

 

そんな息子の変化に驚きを隠せないパパ。

 

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니가 내 아들이냐 ?
お前は私の息子か?

 

この台詞だけで父親の心情を表現する脚本に感服です。

 

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一方、ヨンハとジェシンは酒場でやけ酒。

やっぱり王様は信用できないと思ってたんだ!とヨンハ、このへんはさすがの鋭さでしたね。

 

「あいつ、怖いだろうな…今、ひとりで」…ジェシンの心配の仕方がただひたすらユニの身を案じているのが泣けます(´;ω;`)

 

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そこへ儒学者の集団がやってきて、兵曹判書が自分たちを集めて何やら計画しているらしいという話が聞こえてきます。

 

儒学者の応援を借りて王とユニを弾劾しようとしているのではと察したふたり。

 

あくる日、なんとかそれを阻止できないかと動き始めると、書吏が「恋文を言付かった」と手紙を渡しに来て。

 

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昨今 兵曹判書原曰 金允植以 兵判面前之待令指示也 緊急来要

 

読めなくてもだいたい何を書いているかわかるのがすごいww

漢字万歳!

 

その手紙の差し出し主は「草善」…チョソンでした。

漢字が書ける教養を持つチョソンならではのはからいです。

 

チョソンは兵曹判書からユニを自分の前に連れてくるよう「最後の命令」を受けていたのでした。

 

そこでユニが女性であることも知らされます。

俄かには信じられないといった様子だったのですが、ユニとの出会いや言葉などを思いめぐらせて…。

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身請けしてほしいと頼んでも「自分にはその資格はない」と断り続けたユニの態度の真相をようやく理解したチョソン

 

兵曹判書とインスが話しているところへ姿を現し、命令には従えないと兵曹判書の行く手を阻みます!

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インスも父親がずっとチョソンをこんなふうに利用していたことがわかり、なんと…

 

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チョソンを守るように抱きかかえ父親に毅然と対立!

 

インスーーー!!!

 

よかった、インスもまだ情はちゃんと残っている人でした…!

彼も彼で、きっといろんなことに雁字搦めになって苦しかったのだと思います。

 

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チョソンの表情もインスから今までとは違うものを感じたことが伺えて。

 

そこへやってきました、我らが先輩!

 

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生まれて初めてだな

お前が人間らしく振舞うのは

 

くー、かっこいい!

今までのことは水に流すとばかりにインスとジェシンが共に戦います。

 

だがしかし。

 

なんと残念なことに、インスとチョソンのシーンがここで終わってしまうのです

 

この後ふたりはどうなったのか?

ようやく心が通じ合って結ばれたのか?

 

それがまったくわかりません(泣)

 

脚本家さんによるとインスとチョソンのラブストーリーも準備してたし、なぜチョソンが兵曹判書の下で刺客のようなことをさせられていたのかのシノプシス(概要)も用意していたそうなんですが…。

 

やはり20話内では足りなかったようで…ここはほんとうに残念なところですね。

 

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ソンジュンは王様に直接会って最後のお願いをしていました。

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しかし、それはお願いというよりむしろ王様への失望、そして絶縁のようなもので。

 

キム・ユンシク(ユニ)を助けなくてもいい、見捨ててくれと。

そして自分のことも同じように、と。

なぜなら王様の言う「新しい朝鮮、新しい世」に希望がないからだとソンジュン。

 

かなり率直な物言いに王様も「自分の寵愛が過ぎたようだ」と非難めいたことを言いますが、実際はソンジュンの言葉に堪えるところがある様子。

 

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民のための闘いではなく

老論に勝つために闘ってこられたのですか?

殿下が夢見る世は民ではなく

信念で満ちているだけなのですか?

 

本来の目的を見失いそうになっている王様への強烈な進言、この後の王様の言動を左右する重要なくだりですね。

 

そして、ソンジュンはかつて王様から下賜された羅針盤を置いて去っていくのでした。

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一方ヨンハもユニを助けるために奮闘。

 

兵曹判書に呼び寄せられた儒学者たち、いつまでたっても兵曹判書に来ないので宮殿に向かおうとするのを一生懸命ヨンハが阻止してるのですが…

 

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ヨンハは自分が成均館の博士だと偽って、なんとかその場を収めようとします。

 

ここでヨンハが儒学者を相手に、孔子孟子の教えを持ち出すなどして自らの教養と機転を活かして仲間を助けようとするところはコミカルなシーンではありながらも胸打たれるところですね。

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扉の向こうでは実はその様子をこっそり聞いているチョン博士の姿が。

 

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ようやく見物席から降りてきたようだな

ク・ヨンハ庠儒、通(合格)だ

 

杖打大会のときにチョン博士がヨンハに言った「君はいつも見学だな」という台詞を引用したところに脚本の心憎さを感じます。

 

もうあの時のヨンハとは違うヨンハだということがよく表れている感動的なシーンです。

 

ここの儒学者とヨンハのやりとりは、論語などの教養がふんだんに使われていてなかなか手強いところなので、また改めて。

 

とりあえず先を急ぎますw

 

************

 

ジェシンとヨンハのおかげで儒学者たちの会合は阻止できたようですが、宮殿での閣議は予定通り行われることに。

 

そこで王様は華城への遷都閣議にかけるつもりです。

 

華城には思悼世子(サドセジャ)のお墓があり、今の都を捨ててそこへ首都を移すことはすなわち亡き父の名誉を挽回し、老論派との決別を意味します。

 

もちろん老論派は反対することが予想されるため、それを封じ込めるための切り札が金縢之詞です。

 

しかし、金縢之詞を探すように命じて見つけさせたのが女であることを隠していた成均館の儒生だと知られたら王様の立場も危うい

 

だからユニの存在をなかったものにして(ユニを密かに始末して)金縢之詞を公表するつもりなのではないかとソンジュンたちは案じているのですが…。

 

実はこの閣議の前に、ソンジュンパパは「華城遷都の件は賛成に回ろう」と老論派の重鎮たちに持ちかけていました。

そうすれば壬午年の出来事(思悼世子が亡くなった事件のこと)についてこれ以上老論派を追及することがないだろうからと。

 

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でも、こういってますが、私はソンジュンの涙の訴えも少なからず影響しているのでは…という気がしますね。

 

しかし、兵曹判書をはじめ皆もちろん反対で。

ソンジュンパパの党派内での力関係も微妙になっているようです。

 

王様は華城遷都は絶対に曲げることの出来ない夢であると力強く宣言し、それに反対するものにはこれで封じる、と金縢之詞の箱を示します。

 

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そこへ兵曹判書はやってきてユニのことを暴露しようとしますが、「まだ話は終わってない!」と王様がピシリ。

ここは気持ちいいですねw

 

王様は箱に手をかけて…

 

金縢之詞は…! 

残ってはいなかった…

余の愚かな望みを嘲笑うかのように

 

それまでじっと目を閉じて聞いていた左議政が目を開きます。

 

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だが、余は華城遷都の夢を諦めはせぬ

そなたたちに勝つために始めた闘いではなく

余の民のために始めた闘いであるからだ

余は最後までやり通すつもりである

 

この言葉から王様がソンジュンの言葉を聞きいれてくれたことがわかります。

ソンジュンの思いは届いていました…!

 

普段は温和な王様だけに、ここの演技は迫力ありましたね。

台詞の緩急も見事でしたし、親父集団との演技の息もぴったりでした。

 

9~10話での辛亥通共(シネトンゴン)もそうでしたが、この思悼世子や華城遷都といった史実にフィクションを被せて展開する脚本にはほんとうに唸らされます。

 

意外な展開に老論派の親父たちも困惑しているなか、大司憲の姿が。

兵曹判書に声をかけると

 

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10年前の先代王の遺旨強奪事件の主犯として

義禁府へ連行せよとの王命が下されました

 

ジェシンのパパにとっては積年の願いがようやく遂げられた瞬間です。

無念さを堪えて、こつこつと証拠を集め正攻法で敵を追い詰めたパパはほんとうに偉いですわ。

 

これにて兵曹判書も一巻の終わりですが、ヒョウンやインスはこの後どうなったのか…そこが気がかりです。

 

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王様の執務室では、あれほど王様が欲した金縢之詞がゆっくりと火にくべられていました…。

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そこにはユニの姿も。

 

王様は穏やかにユニを見つめ

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約束してくれ

 

余の取るに足らない死ではなく

余の短い生涯でもなく

余の夢、余が望んだ新たな朝鮮の明日を

そなたが末永く覚えていてくれるか?

 

余がそなたの記憶の中で生きていけるよう…

 

史実の正祖は49歳でこの世を去ります。

 

歴代の中でも名君の誉れ高い人物であるとともに、暗殺未遂の回数が特に多い王としても有名で。

死因も病死ということになっていますが、これも老論派の手による暗殺ではないかという見立てもあります。

 

学問にも熱心で、原作で花の四人衆が配属される設定の「奎章閣(キュジャンガク)」という国立図書館の設立も正祖が遺した業績です。

 

ドラマの中ではユニたちを見守る父親のような、そして人間味あふれる王様でしたね。

この若者たちに未来を託すシーンは目が潤みます…。

 

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命を救われたユニは涙を浮かべ「そういたします」と強く誓います。

 

そして執務室を出ると、そこにはソンジュンパパが…!

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一体何を言われるのか…とユニは小さくなっていますが、女人の身で成均館に入るとは…と向こう見ずさを指摘されるものの、厳しく責め立てる感じではなさそうです。

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以前、ユニが語っていた「自分を教訓とする」という言葉を持ち出して

 

うまくいかぬであろう

目を開いていても足を踏み外すのが

人生であるから

 

それは一人では容易ではないだろうから…

 

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うちの息子のそばにいてくれるか?

 

なんとここでまさかのパパからの結婚のお許しが出るとは!!!

 

このあとの「この老いぼれの欲は過ぎているかな?」って言い方がまたスマートで泣かせるじゃないですか…!

 

これにはユニもただただ驚いて。

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あれだけ貧富の差や党派の違いなどで一緒になるのは難しいと諦めていたソンジュンとの仲がこうすんなり認められるなんて思いもかけないことでしょうから。

 

これはもう最終回ならではのボーナスステージですなw

 

ソンジュンパパを演じたキム・ガプスさん、実はこのとき53歳くらいでまたお若かったんですよ。

老けメイクで貫禄ある老論派の重臣の雰囲気をしっかり出されてましたが、素顔は冗談好きなおじさまだったそうで。

 

原作のソンジュンパパはもっと手強いんですが、ドラマでは老獪で厳しさもあるもののちょっと愛嬌も見せたりして、私はかなり好きなキャラでした。

 

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そして成均館。

ソンジュンにジェシンから最後のエールが。

 

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これが最後だ

ここからはお前に任せた

 

俺がこれ以上

あいつの心配をせずにすむように

しっかりやれよ

 

 

うえっ うえっ(嗚咽)(またかよ)

 

恋のライバルの退場シーンは誰であっても切ないものですが、コロ先輩の場合はとりわけ胸が苦しいですね。

 

こういう役柄はいわゆる「当て馬」なんて言われますが、それにしてはあまりにも魅力的過ぎて「コロ患い」なんてファンまで誕生してしまったジェシン。

 

ソンジュン派の私としても敵ながら天晴れという気分ですw

 

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これまで先輩に大切にして頂いたお心を

忘れはいたしません

ありがとうございます

 

もうね、私の脳内には、いーつのことだかー思い出してごーらん…ってBGMが流れてます。

 

あんなこと、こんなこと…いろいろありましたね(´;ω;`)

 

初っ端から中二房から出ていけと揉めたり…杖打大会で殴り合いしそうになったり…ユニたんの隣の寝場所をめぐってお尻で押し合ったり…。

そういえば風呂覗きの現場で鉢合わせたことも…(遠い目)

 

そこへヨンハが華麗にくるくるっと登場して「テムルが帰ってきたぞ!」

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ジェシンはみんな一緒に向かおうとするヨンハの首根っこをつかんでソンジュンにひとりで行け、と促します。

 

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最後の最後まで笑わせ…いやいや、泣かせやがるぜ!

 

ソンジュンを見送るヨンハとジェシンの笑顔がなんとも印象的なシーン、これが成均館儒生時代のふたりのラストです!

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主要キャストであるジェシンとヨンハ、この重要な役をこんなに魅力的に演じてくれたふたりに大きな拍手を送らずにはいられません

 

特にヨンハは一線を画すキャラクターで。

 

ユニもソンジュンもジェシンも、ある意味頑固で融通が利かない、堅物な面がある人物だったのでw、ヨンハの軽妙な言動がムードを変える役割を担うことが多く、物語の展開で助けられること度々。

 

こんな先輩に自分も出会いたい!と思うような素敵なサヒョンコンビでした。

 

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そしていよいよクライマックス。

ソンジュンとユニの再会。

 

場所は私が心から愛する尊経閣、BGMは数々の名シーンを彩ってきた珠玉のバラード「君には別れ 僕には待つということ」。

これで泣くなってほうが無理ですよね?よろぶん?

 

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大袈裟じゃなく、まさに「愛と青春の尊経閣」、ここでいろんなことがありました。

 

一緒に勉強したり、プロポーズもどきのことを言ったり、すれ違いで哀しい思いをしたことも。

そして、なんといっても記念すべきファーストキスの場所でもあり…!

 

ユニの姿を探しながら回想していくソンジュン。 

そしてついに視線の先に、書架の奥で佇む、制服を着たユニの後ろ姿が。

 

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ユニはまるで何事もなかったかのように、静かに本を読んでいて。

 

ここで19話の私のお気に入りのシーンである「私があげられるのは許しではなく、情人、女人の心だけ」のユニを思い返すのが、また泣ける。

 

やっぱりあのシーンはキーポイントよね、うん、うん…(涙をおさえる)

 

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ユニからずっと目を離すことなく一歩一歩近づくソンジュン、ここの表情もすごくいいの…ついで言うとお衣装も良いの…♡

 

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静かにユニの背後に立って… 

 

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재주 넘는 건 곰 봤소 ?
芸あるクマを見なかったか?

 

 

 

最 高 

 

ここでこのキーワード持ってくるって最高すぎんか?(号泣)

 

1話の運命の出会い、それもふたりだけしかわからない合言葉、「芸のあるクマ」をここで使うなんてずるい!ずるいよ!心憎いなんてもんじゃないよ!!

 

ユニもこの言葉に反応して、笑顔になり。

 

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왕서방 ?
ワン殿?

 

振り返ると、満面の笑みを浮かべたソンジュンが居て…。

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もうこの笑顔がすべてを雄弁に語ってるよね。

 

あんな仏頂面していたソンジュンがここまで笑えるようになったんですよ、奥さん!

2話で唇の端をやっと持ち上げるくらいの笑顔しかなかったソンジュンが!!!

 

ユニに出会い、愛を知って、友情を得て、成長したソンジュンの決定版のシーンですよ。

もう感動で胸がいっぱいです…!!

 

言葉はいらない、ただただ笑顔で見つめあうふたり。

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めでたし、めでたし…

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…で終わらないんだな、これが。

 

いや、ここで終わっても違和感はないんですけど。

 

もし私が脚本家だとしても、ここで終わるパターンは考えます。

これはこれできれいな納め方だと思いますよ、あくまでも儒生時代のみを描くってことで。

 

しかし、脚本家さんはここで終わらないパターンを選びました。

さらに「その後」が描かれます

 

これを蛇足と思うか、否か?

人それぞれ捉え方は違うので、何が正解というのでもないでしょう。

 

私としてはこのドラマに関しては「その後」はありだと思いました。

その理由としては「ある台詞」の存在が大きくて。

 

それこそ、このドラマにハマったと言っても過言ではない、私のお気に入り第1位の台詞なのです。

 

ついに語れる時が来て興奮しておりますw

それでは「めでたしめでたし」の先へ、いざ!

 

************

 

時は流れて…2~3年後といったところでしょうか?

 

にぎやかな市場にヨンハの姿が。

 

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どうもファッションデザイナーになってお店を開いているようです。

「나 구용하다(俺はク・ヨンハだぞ)」の決め言葉も健在で。

 

そして、空から降ってくる壁書。

 

まさか赤壁書?

いえいえ、今度は「青壁書」ですw

 

その青壁書を追いかける武官。

 

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コロ先輩!

 

武官の衣装がまたお似合いで。

武官は国防や王様の護衛などを担う役職ですが、そっちに進んだんですね。

 

誤字だらけの壁書に添削までして説教するジェシンw

しかし、青壁書は女性だったのでしゃっくりが止まらず…こちらもそこは相変わらずのようで。

 

近頃の成均館は何を教えてるんだ…とブツブツ。

 

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その成均館では、ひとりの博士の後をぞろぞろと追いかける儒生たちの姿が。

博士が振り返ると…

 

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!!!

 

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儒生たちは博士の美貌に鼻の下がのびるものの、テストの採点について質問し始めますが…

 

突然答案を奪う手が。

 

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!!!!!

 

ユニとソンジュンは成均館の博士になっていました!

 

しかも、ソンジュンはなんとヒゲ姿

当時のファンや視聴者の反応はどんなだったんでしょうね?

 

ユチョン本人は似合ってないと思ったみたいで、笑いが止まらずに何度もNG出したそうですがw

 

私は似合ってると思いますよ!

素敵じゃないですか♡

 

設定として「え、もうひげ生やすの?」とは思いましたけどw

ヨンハもジェシンもそこまで生やしてないのにソンジュンだけしっかりひげなのは博士というので貫録をつけるため?

 

ここでユニやソンジュンが言っている「学ぶばかりで…」とは

 

「学びて思わざれば則ち罔し(くらし)、思いて学ばざれば則ち殆し(あやうし)」

という論語の言葉です。

 

「学ぶばかりで思案しなければ物事の道理が分からない。かといって思案するばかりで学ばなければ危険である」という意味なんですが、それは建前の説教でw

 

君!自分で考えずに

師匠の後をついて回ってばかりとは…

それは学者の態度とは言えない

不通(プルトン=不合格)だ!

 

ユニの「また始まった…」みたいな表情からして、どうもこういうことが日常茶飯事っぽいですねw

 

どうでもいいんですが、私「자네!(君!)」という呼びかけ方が好きで、ソンジュンの口から聞けて楽しいですw

 

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質問をしたら書物に目を通すべきなのを

師匠の顔ばかり眺めているのも

学者とは言えまい

だから君は不通、不通だ!

 

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ソンジュン、言いたい放題やりたい放題。

生徒もポカーンww

 

愛しのユニの後にぞろぞろついて回るな、顔をじろじろ見るなって言いたいだけですよねw

 

ユニも負けじと反論して生徒を擁護しますが、ふたりは睨み合いに。

 

そこへ大司成(校長)が仲裁に…って、あれ、まだあなたですか!?w

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実は何気にこの校長も1話からずっと出ずっぱりのキャラで。

時代劇ではベテランの俳優の方で、現場ではユチョンの指導役でもあったそうなんです!

 

ユチョンは初のドラマで初の時代劇、時代劇特有の発声や所作など大変だったと思いますが、指導したらどんどんよくなっていったと褒めてくれたので(たぶん)いい人ですw

 

大司成の愚痴のような説教のようなおしゃべりを無視して、反対方向に歩きだすソンジュンとユニですが…?

 

************

 

家に戻ると女性の服に着替えたユニが掃除当番のことで「イ博士」に説教中。

 

ユニの髪型から既婚であることがわかります。

未婚の女性は髪を垂らして、既婚者はまとめ髪をするので。

 

お化粧もして髪飾りもつけた人妻ユニ、口調もすっかり若奥様風で可愛い!

 

「掃除もろくにしないで嫉妬ばかりして、夫として通(=合格)がもらえるとでも?」と話しかけているその相手はもちろん…

 

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わーーーーーい♡♡♡

 

やっぱりふたりは晴れて夫婦になっていました!

 

このアングルでの登場の仕方も粋です。

ここのリフレインになっているんですよね。

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外でも家でも睨み合い、いや睨み愛?w

 

 

さて、いよいよここで私のお気に入り第1位の台詞の発表です!

ドゥルドゥルドゥルドゥル…(←手動ドラムロール)

 

映えある第1位は、このソンジュンの台詞!

 

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僕を間違っていると言うのは仕方がないが

僕を嫌うのは容認できない

 

 

…え?これ?

 

別に感動するようなもんでは…

 

と思いますよね。

 

違うんです、解説するとこの台詞は対になっているんです!

それとセットで第1位なんです。

 

その台詞とはこれ。

 

そして、この学堂のシーンで出てくるソンジュンの台詞

 

날 싫어하는 건 상관없네.
허나 날 틀렸다 하는 건 용납할 수 없네.
僕を嫌うのは構わない
しかし、間違っているとされるのは容認できない

 

これ、ザ・ソンジュン!なキャラを表す大事な台詞だと個人的に思ってますが…

マジでね、私ね、この台詞については心底…

 

やられたー!ってなりました。

 

一体何のことか?答え合わせは最終話まで待つべし!

 

cinnamon2020.hatenablog.com

 

おわかりいただけただろうか…?

 

1話

날 싫어하는 건 상관없네.
허나 날 틀렸다 하는 건 용납할 수 없네.
僕を嫌うのは構わない
しかし、間違っているとされるのは容認できない

 

20話

날 틀렸다고 하는 건 하는 수 없지만
날 싫다고 하는 건 용납 할 수 없소.
僕を間違っていると言うのは仕方がないが
僕を嫌うのは容認できない

 


ほぼ同じ言い回しを使っているんですよ!

なおかつ内容はまったく正反対にしてるんです!

 

ユニに出会う前の、孤高の原則主義者ソンジュンは「嫌われることなんかより間違っていると否定されることのほうが許せない」という人間でした。

 

それがユニと出会って、愛し愛される喜びを知ったソンジュンの価値観は「間違っていると言われるより嫌われるほうが許せない」と180度変わってるんです!

 

つまり、愛するユニに嫌われることのほうがずっと耐えられない、と言ってるんですよ!!!

 

ソンジュンの変化を表すこの粋な仕掛けに、私の興奮度は成層圏を突き破りましたね。

 

最終回を観終わり「めっちゃ面白かったわあ、また1話から見直そうっと」…てな感じで続けて1話を観始めて、この学堂のシーンの台詞を聞いた時に

 

あれ…ついさっき似たようなセリフをどっかで…?

 

と思って、この1話から20話に跨る壮大な仕掛けに気付いた時の衝撃!!!

マジで漫画みたいに意味もなく部屋をぐるぐる徘徊し、

 

なんだこれは?なんだこのドラマは?

え?すごくない?やばくない?

初回と最終回にわたって、こんな伏線張るか?

 

もしかして私はすごいドラマに出会ってしまったのでは…?という感動で落ち着きませんでした。

 

というわけで、ようやく答え合わせに辿り着きました。

私も存分語れて大満足ですw

 

ではこの続き…って、まあここからがまた最高なんですけど。

 

ちなみに、このくだりにかかってる劇伴も大好きです!

「ジャルクム4人組」というタイトルなんですが、伝統音楽っぽいリズムや旋律が効いてて、コミカルな場面を印象的に盛り上げてくれてます。

 

ソンジュンから反論されて納得できない表情のユニ。

 

すると、なんとソンジュンから…!

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決定的瞬間は本編のお楽しみとして控えてたんですが最終回なんでボーナス。

ここのキスの仕方がまたいいのよお…ソンジュン上手になったな!w

 

びっくりしているユニを見て笑いながら「じゃあ、これは通(合格)か?」なんて聞いちゃったりして。

またもう、この時の言い方とか声色が超絶いやらしいの!!(最大級に褒めてます)

 

あの奥手ぶりが嘘のようw

 

ドラマ通してキスシーンは3回あるんですけど、最初のキスはユニから2回目は自然にふたりから、そして今回はソンジュンから、とうまくバランス取れているのははたして偶然か意図的か?

 

思わず笑ってしまうユニに「合格をもらえるまで止めないからね」とまた顔を近づけますが、今度はユニに指で止められて。

 

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私、このショットが激萌え・オブ・ザ・イヤーの2位です。

※1位は6話のアレ(アレで通じるよな?よろぶん!)

 

ここからのくだりは、まさに監督さんの目指したユーモアと官能の融合の総仕上げですねw

 

ソンジュンからのキスを拒否したのかと思いきや、ゆっくりユニが体を倒して蝋燭の灯りを吹き消します。

 

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このへんの動きも何度繰り返して観たか…!

ユニの体勢とか表情とかすごくエロティックでたまりません!

 

ちなみにユニの恰好はこれ、下着姿ですからねw

 

ユニの意図に気付いて笑みがでるソンジュン、そのまま押し倒して…

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ここからは台詞と私の心の声でお楽しみくださいw



ユ)今日はどうなさったの?
    ここの敬語と忍び笑いがセクシーすぎる!

ソ)待った…(机の上の赤い本を取って)
  まだ慣れなくて…
    何が!?何がですか?

ユ)そんな本をいつまで…
  それはまさかあの…

ソ)これか…あれ、これじゃなかったか?
  だから、何がですかw

 


♬ちゃじゃった ね~さら~ん

 

ここの入り方も最高オブ最高…!

 

いやあ、最後の最後まで楽しませてくれます!

 

ヨンハ進呈のあの赤い本がまさかここで登場するとは…w

ソンジュンは床の中でも勉強熱心だということがよくわかりましたw

 

歌に入る前のユニの叫びみたいなもの、どうもメイキング動画によると「짐승!」と言ってるようなんですが…

 

でも、あの、「짐승」って直訳すると「けだもの」なんですけど、ほんとうにこれで合ってるんでしょうか?ww

 

なんかこう「あなたったらワイルドね♡」ってニュアンスなんですかね?w

他に意味があれば教えてください。

 

最後におまけのオフショット!

 

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はああ、もう私にとってはドラマ史上最高の萌えカップルです(涙)

 

 

ということで、監督さん曰く「史上初の、俳優のお尻を映して終わるドラマ」という称号を得たラストシーン、私は大大大満足ですwww

 

もう私、このくだり1億回は観てる感覚ですよ。

ふたりのラブラブ(死語)ぶりが五臓六腑に染み渡って幸福感に包まれますわ…。

 

このあとの「찾았다」が流れるエンドロール、いつもなら本編の振り返りとなるんですが、最終回ならではのサービスでビハインドのシーンが流れます。

 

和やかな現場の様子にお茶目な共演者たち

ドラマの序盤ではセミの鳴き声がすごかったのに、終盤では吐く息も白くなるような季節の移り変わり

 

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そして私がユチョンに堕ちるきっかけになったソンジュンのイメージとはがらっと変わる素敵な笑顔の数々♡

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諸々のこれらも楽しいのでぜひ見てほしいです。

 

************

 

ここで改めて印象に残ったことがひとつ。

 

女性の姿(妓生コスプレ除く)のユニとソンジュンが出会うシーン、成均館儒生時代では結局出てこないんですね。

結婚してからのラストシーンでようやく登場です。

 

最終回のユニの自宅を訪問するくだりが、女性の姿のユニと対面するシーンを描ける機会だったんですが、あのとおりユニが捕らえられてソンジュンとは会えずじまいだったわけで。

 

私はこの点について「のだめカンタービレ」を連想しました。

 

 

この作品では千秋とのだめの「(協奏曲での)共演」というのが物語のポイントになるんですが、結局本編では一度も出てこなかったのです。

 

お互いに同じ舞台に立つことを目標にしているにも関わらず、それぞれ違うピアニスト、違う指揮者との演奏シーンしかありません。

 

それはつまり、大事だからこそあえて想像の余地を残した、と言えるかと。

 

実際に作者の手でそのシーンを描いてしまうと、どんな曲をどんなふうに演奏したのかというのが限定されて物語の世界が狭まってしまう恐れも。

 

例えば「成均館スキャンダル」の原作では結婚式の様子などが描かれているのですが、小説なのでそこまでがっちりイメージが固定されません。

 

しかしドラマでそのエピソードをはっきり描いてしまうと、視覚的な印象が強まるので自由度がなくなってしまいそうです。

 

あの再会のシーンもソンジュンの父親と面会した後、あの女性の姿のままで別の場所で会うという設定だったとしてもおかしくはありませんでした。

 

そこをあえて「成均館の制服を着たユニ」「成均館で」再会した、という演出にしたことに何か制作側のこだわりというか心意気を感じましたね。

 

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さて、これにてほんとうに「完」でございます!!

 

終わり方にはハッピーエンド、バッドエンド…などなどありますが、このドラマはオープンエンドのパターンでした。

 

オープンエンドとはいわゆる「あとはご想像におまかせします」って終わり方のことです。

 

私自身も好きな終わり方なんですが、加えてこのドラマは個人的にはパラレルワールドっぽい要素があると感じました。

 

こんな未来だったらいいな…という願望、こんな世界がどこかにあったのではないか…という空想。

そんな、良い意味で非現実性を持たせたラストに思いました。

 

だって、いくら「ご想像におまかせします」といっても謎の部分が多いですよねw

 

ユニは女性のまま博士になれた?

結婚した後も成均館に勤められた?

ユンシクの名前をまだ使ってるの?

じゃあユンシクはどうなったの?

校長はユニが女性であることを知ってる?

学生たちは?成均館の仲間たちは?

みんなどこまでわかってるの?

 

現実として、王様に女性と知られ、国宝を犯したユニが無事であることは考えられないし、ましてや再び男装して成均館に戻って学生生活を送れるなんてありえないですよねw

 

成均館卒業後についても、儒生のほとんどは科挙を受けて官吏(文官)として朝廷に出仕しますから、ヨンハやジェシンのような進路も珍しかったでしょう。

 

結婚に至っては当時の女性は屋敷の奥の別棟で生活し、滅多に外出もできなかったのでユニのような生活は無理。

 

だから、あの尊経閣の再会のシーンから先はドラマの中で夢見た「新しい朝鮮、新しい世の出来事」という解釈もあるのかなと。

 

女性も才覚を認められ、学校で学び、自由に職に就き、家事は当番でやりながら共働きだってできる、そんな世であってほしいという。

 

なので、あれこれツッコミをするつもりは毛頭なく、これもひとつのハッピーエンドの形である、というのが私の総括です。

 

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というわけで、ひとまず全20話のレビュー、完走いたしました!

 

キャストはもちろん、台詞、演出、照明、カメラワーク、音楽、舞台セット、衣装や小道具…

 

とにかくこのドラマのありとあらゆる要素に魅了され、この気持ちや思いを誰かに言いたい、どこかに書き記したいという思いに突き動かされて、見切り発車で始めましたレビュー。

 

書いてる本人がなにより楽しくw、ひとり応援上映みたいな体をなしておりましたが、それでもこんな拙い内容を読んでくださり感謝の気持ちでいっぱいです!

 

もちろん、これでドラマのことを語るのは終わり…なんてことはなく。

あれこれ端折った部分などを中心に引き続き「おかわり」していくつもりです。

 

好きな台詞集、ソンジュンの衣装コレクション、出てきた街や地名…まだまだ語り尽くせぬテーマがたくさんありますので、よければお付き合いください!

 

アンニョン♡