風味絶佳

エンタメは人生のスパイス

【よもやま話】ひたすら「成均館スキャンダル」の魅力について語ります

もはや誰に向けてだかよくわからない、ひとりごとの部類ですが勝手にプレゼンします。

結論から言いますと、「成均館スキャンダル」の何が素晴らしいかっていうと

 

配役
脚本
演出(音楽含む)

 

に尽きます。

なんだよ、それ他の傑作と名高いドラマと一緒じゃん、って思うでしょ?

いや、そうなのよ。

面白いドラマ、後世に残るドラマって結局その基本ががっちりマンデーなんですよ。

小手先であれこれやったところでこの根幹がきっちりしてないと、あーた20話とか50話とか70話とか視聴できんですわね。

以下、この3つについてだらだらと。


1.配役

最高オブ最高。(もっとフォントでかくしたい)

 

この件についてはこの一言で済むんですけど、もう少し(少し?)語ります。

これが制作されたのが2010年。
そのときにちょうど役に合う年齢だった俳優女優のなかに

 

ユチョン

パク・ミニョン

ユ・アイン

ソン・ジュンギ

 

この4人がいた奇跡に感謝しかない(号泣)

 

見つけてくれた人ありがとう、キャスティングしてくれた人ありがとう、制作してくれたKBS2テレビありがとう!!!

マジでよくぞ ちゃじゃったー!(見つけた!)

人気原作のドラマ化ということで注目が集まるなか、ユチョンはトップアイドル(と私は知らんかったけど…w)ではあるけど初めての演技で初主演、他3人もまだ新人の部類…ということで放送前はあれこれ言われたらしいですが!

こうして10年経ってるのにどハマリする人間を異国で約1名誕生させただけでもこの世に生み出された意義があると思う、いや思いたい、そんな作品です。

マジでこうして今も観られることが有難いですよ(円盤化してないとかお蔵入りになったとか、そういう作品たくさんあるんだからさあ…涙)

 

以前、松潤花男のことを語ってたんだけど「当時は自分たち出演者もスタッフもみんな若手や新人が多くて、だから一発当ててやろうって気概がすごくあった現場だった」と。

「成均館スキャンダル」もそれに近かったんじゃないかなーと思ったり、なんとなく。

監督さんも脚本家さんもキャリアを積んでいってる最中で、30代でまだまだこれからって感じで意欲に沸いてたでしょうし。

パク・ミニョンはデビューはよかったもののその後パッとせず…みたいな感じで悩んでいたらしいし。

実際、この作品が彼らの出世作になったわけですから…はあ、ほんとにこのメンツでよかった。

 

公式ガイドブックにはキャスティングについての経緯がいろいろ書いてありますが、まあ有名どころではユ・アインがミスキャストではないかと言われた件でしょうか。

ユ・アインは子役出身で実力は申し分ないけど原作のイメージに合わないと物言いがついたそうで。

ところが蓋を開けてみれば主役にも肉薄する(もしかすると超えていた?)人気を獲得したのだから天晴れです。

ソン・ジュンギは脚本家さんの推薦だったそうですが、正式に演技を学んだことのない新人をよく起用してくれました。もう彼以外考えられないです。

ユチョンもアイドル出身とかそういうことで色眼鏡もあったと思いますが前評判を覆したと言ってもいい素晴らしいソンジュンを見せてくれました。

 

ソンジュンラブ!(突然愛を叫ぶ)

 

すみません、私がハマった要因の87.95%がソンジュンなのでときどき急に叫びますが危害は加えませんので大丈夫です。

 

 

そして肝心要の「男装ヒロイン」を演じたパク・ミニョン。

はっ?男装女子?なんかあちこちでよく見るやつじゃん…

そう思ったあなた、そのとおりです。私も真っ先に思ったのはそれですから。

既視感がある設定で、イケメンに囲まれて、タイプの違う男性からそれぞれ思いを寄せられて…

そんな下手すると女性視聴者の反感を買いそうな難しい役を、その演技力と美貌でとっても魅力的なヒロインに仕立ててくれたのが彼女です!

もしリメイクしたらコオロギ食わすぞ!ってくらい、もうこのメンバーじゃなきゃ私は許せませんw

 

もちろん主要メンバー以外の配役も素晴らしいです。

家族、先生、同級生、先輩、下男下女、恋のライバル、貸本屋の主人に妓楼の妓生たち…これらを演じた役者さんたちも本当に良かった。

後述しますが、決して「原作の中から出てきたような」という配役ではありません(ソン・ジュンギはわりかし近いけど)

だけど、原作に近いかどうかが大事ではない、役者が役柄にハマるとはこういうことか、というのを見せてくれるのが「成均館スキャンダル」なのです。

 

2.脚本

このドラマには本国韓国でベストセラーとなった原作があって、そこへ待望のドラマ化…という流れなんですが、読んだ人はおわかりでしょうが微妙にちょっとずついろいろ違います。

男装した女の子が女人禁制の名門校・成均館に入学して起こるてんやわんや(死語)

というおおまかな筋は踏襲していますが、キャラクター設定が違ったり、ドラマオリジナルのキャラやエピソードもあったり、エピソードの順番も変わってたり。

 

というわけで原作を忠実に再現してはいないんだけど

それがいいんだよおおおおお!!!

少なくとも私はドラマならではの改変による特色がツボにハマりまくりました。

 

とくに主人公のひとり、イ・ソンジュンが原作の出木杉くんな完璧キャラから気難しくて頑固で融通が利かなくて友だちもいなくてプライドの高い原則主義の成績優秀なムッツリくん(ここが重要!w)に変更されたことについては脚本家さんに五体投地で御礼を言いたい。

ぶっちゃけ、ソンジュンのキャラクターやソンジュンとユニの関係性が原作どおりだったらここまでハマったかどうか…?

よくぞソンジュンをこういうキャラにしてくれました、ありがとう!!!

 

あと「成均館スキャンダル」の脚本の特徴として、キーワードになるフレーズを繰り返し使うというのがあって、そこがめっちゃ私好みの脚本なんですわ。

口癖だったり、決まり文句だったり、メタファーだったり…。

例えば1話に出てくる「芸達者なクマ」というフレーズ。

これ、表現を変えながら最終話まで何度か出てくるんですが、そのセンスが心憎いんだわー、くーってなるんですわー。

 

ところで最近のドラマって、例えば「背景に貼ってあるポスターにスタッフの遊びみたいなものが仕掛けられていた」みたいなのありますが、私、ああいうのはあまり好きじゃないんですねw

なんか、ほれ、お前らこういうの見つけるの好きだろ?考察とかして暗号を解くの好きだろ?って見透かされてるみたいでw 

でも「成均館スキャンダル」の遊びのセンスはちゃんとストーリーに必然として溶け込んでるんですよ、視聴者へのサービスとかじゃなくて。そこがいい。(サービスの箇所もたまにありますがw)

 

ドラマ全体を通してみれば、脚本家さんも自ら言ってましたが「反省すべき点」というのはまあまあ結構ありますw

私も観ていてあれ?と思うところは少なくないです。

でもそれは思うに、脚本がどうこうというより「尺が足りない」ということに起因する点が多く、あと数話延長できれば解決できた感じです。

なのでアラがあってもお釣りがくるぐらい他の魅力でカバーできてると思ってます。

 

3.演出(音楽含む)

私は撮影カメラがどうだフィルターがどうだって、そういう専門的なことよくわかりませんが、ドラマによって映像に違いってありますよね。

パソコンモニターで言うとグレアとノングレアみたいな。ざらざらしてるか、つやつやしてるか、みたいな。

ちなみに同じ韓国時代劇で言うと、「トンイ」はグレアで「成均館スキャンダル」はノングレアです(私の肉眼による当社比)


「成均館スキャンダル」はこのノングレア映像がなんとも美しいうえに、アングルとかカメラワークがすごくいいんです!

 

セットや小道具にも気を配り、時にCGやアニメを使って遊びを加えたりと、演出が冴えてます。

監督さんのインタビューを聞いても、そのへんこだわったようで納得です。

 

そして、音楽!!!

 

韓国ドラマといえばOSTOSTといえば韓国ドラマ。

「成均館スキャンダル」のOSTも「素晴らしい」を100回言っても足りないくらい素晴らしい。

 

時代劇ということもあるのか、「成均館スキャンダル」は挿入歌だけでなく劇伴も力を入れていて、これがまたもう最高にいいんですよ!!!

ブラスやストリングスで壮大に、または伝統音楽のニュアンスを入れてコミカルに、はたまたピアノでしっとりと、それらの劇伴が絶妙なシーンで流れてドラマを盛り上げてくれます。

それがまた聴くだけじゃなく演奏もしたくなるようなアンサンブルが多いんです。マジでスコア売ってくれ!

 

ちなみに監督さんは「友情」を描くシーンで使う曲がなかったのがひとつだけ不満と言ってましたw

もしあったらどんな曲になっていたのか興味あります。


4.まとめ

とまあ、グダグダ言ってきましたが

  • 韓国の時代劇が好きだけどちょっと変わった作品が見たい
  • 好き合ってるくせに意地をはったり気持ちを誤魔化したりしてなかなかくっつかないカップルにキュンキュンする
  • ファンタジーはファンタジーとして受け入れられる(どう見ても女の子ってバレそうなんだけどバレてない設定にいちいちつっこんだりしない)

以上の条件に当てはまる人に全力でおすすめします。

朝鮮時代が背景の時代劇ですが、現代にも通ずるような悩める若者たちの成長と恋と絆を描いた青春キャンパス物語です。

  

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今書いてて気づきましたが、「屋根部屋のプリンス」もこの条件が当てはまる人におすすめできそうな気がします。ちなみにソンジュンの人が主演してます。こちらも超絶素晴らしい萌えドラマです!

 

あと、「成均館スキャンダル」に関してはオプションとして「イ・サン」を見たことあるならより楽しめると思います。

偶然にも「屋根部屋のプリンス」の相手役の女優さん(ハン・ジミン)が「イ・サン」にも出てますよ。

 

現在、NETFLIXやU-NEXTなどで配信中でございますが、ひとつ残念なのがこの配信のやつはディレクターズカット版じゃないってこと。

はあ?なんでこんな萌える大事なとこカットした?ってところがあるのが惜しい。
でも業務(?)に支障はないので、とりあえずご覧ください。

 

私もまた今から観ます。
マジで「一日一善」じゃなくて「一日一ソンス」状態。